比、人身売買防止基準で6年連続の最高ランク
アジアで4カ国のみの「第1階層」、日本より上位
2021/07/04
米国国務省は7月1日、「2021年人身売買報告書」を発表した。
この「人身売買報告書」は人身売買防止に関する各国政府の取り組みに関する最も包括的な世界的規模の報告書であり、人身売買に対する国際的な認識を高め、効果的な対策へと各国を後押しするものである。また、深刻な事例の被害者が多いとされる国に関する報告も含まれている。
この報告書は、世界各国の人身売買の状況や対策などに関して、「第1階層」(人身売買防止の国際最低基準を満たしている)、「第2階層」(国際基準達成に向けて努力中)、「第2階層・監視リスト」(努力中だが成果見られず)、「第3階層」(改善努力や成果見えず)の4段階に分類しており、制裁対象となりうる第3階層が最低ランクとなっている。このほか、スペシャルケースが掲載されている。
今回、スペシャルケースとして、リビア、ソマリア、イエメンがリストアップされている。また、最低ランクの「第3階層」に指定されたのは、アフガニスタン、アルジェリア、ミャンマー、中国、コモロ、キューバ、エリトリア、ギニアビサウ、イラン、北朝鮮、マレーシア、ニカラグア、ロシア、南スーダン、シリア、トルクメニスタンという16カ国・地域。中国は強制労働が続いていることなどを理由に2017年に4年ぶりの最低ランクに転落、2021年も新疆ウイグル自治区での迫害行為などを背景に、5年連続での最低ランクとなった。
下から2番目のランクである「第2階層・監視リスト」に分類されたのは46カ国・地域。アジアでは、ベトナム、タイ、ラオス、東ティモール、香港、マカオ、ブータン、パキスタン、スリランカなどが指定されている。下から3番目、上から2番目である「第2階層」には、日本など95カ国・地域が指定されている。
日本は、近年「AV出演強要」、「女子高生等の援助交際」、「人身売買に対する処罰が軽すぎる」などの理由で、2017年まで13年連続で「第2階層」に据え置かれた。2018年と2019年は、最も良好な「第1階層」へと昇格したが、外国人技能実習制度を「外国人労働者搾取のために悪用し続けている」などとして、2020年と2021年は「第2階層」に逆戻りという結果となっている。
2021年の「第1階層」には、欧州主要国、豪州、カナダ、米国、チリ、コロンビアなど28カ国・地域が指定されている。アジアでは、フィリピン、シンガポール、台湾、韓国の4カ国・地域がリストアップされている。韓国が長年連続して「第1階層」とされていることにはかなりの違和感がある。また、アジアでは僅か4カ国・地域のみが最上位とされているが、そのなかにフィリピンが含まれ、「第2階層」という日本より高い評価となっていることが注目される。
フィリピンは、2015年まで「第2階層・監視リスト」と「第2階層」の往来であったが、2016年に「第1階層」に昇格、それ以降6年連続で「第1階層」に指定されている。フィリピンは、人身売買対策のための対策や法整備を推進していることなどが評価されている。しかし依然、貧困層や先住民族、特に児童が人身売買の犠牲になるケースが少なくない。また、児童ポルノや児童買春などの性的人身売買の被害も少なくない。さらに、反政府組織において児童が兵士として活動させられているケースや海外就労フィリピン人(OFW)が就労先で被害を受けるケースもある。したがって、更なる対策強化・改善が必要とも指摘されている。
この「人身売買報告書」は人身売買防止に関する各国政府の取り組みに関する最も包括的な世界的規模の報告書であり、人身売買に対する国際的な認識を高め、効果的な対策へと各国を後押しするものである。また、深刻な事例の被害者が多いとされる国に関する報告も含まれている。
この報告書は、世界各国の人身売買の状況や対策などに関して、「第1階層」(人身売買防止の国際最低基準を満たしている)、「第2階層」(国際基準達成に向けて努力中)、「第2階層・監視リスト」(努力中だが成果見られず)、「第3階層」(改善努力や成果見えず)の4段階に分類しており、制裁対象となりうる第3階層が最低ランクとなっている。このほか、スペシャルケースが掲載されている。
今回、スペシャルケースとして、リビア、ソマリア、イエメンがリストアップされている。また、最低ランクの「第3階層」に指定されたのは、アフガニスタン、アルジェリア、ミャンマー、中国、コモロ、キューバ、エリトリア、ギニアビサウ、イラン、北朝鮮、マレーシア、ニカラグア、ロシア、南スーダン、シリア、トルクメニスタンという16カ国・地域。中国は強制労働が続いていることなどを理由に2017年に4年ぶりの最低ランクに転落、2021年も新疆ウイグル自治区での迫害行為などを背景に、5年連続での最低ランクとなった。
下から2番目のランクである「第2階層・監視リスト」に分類されたのは46カ国・地域。アジアでは、ベトナム、タイ、ラオス、東ティモール、香港、マカオ、ブータン、パキスタン、スリランカなどが指定されている。下から3番目、上から2番目である「第2階層」には、日本など95カ国・地域が指定されている。
日本は、近年「AV出演強要」、「女子高生等の援助交際」、「人身売買に対する処罰が軽すぎる」などの理由で、2017年まで13年連続で「第2階層」に据え置かれた。2018年と2019年は、最も良好な「第1階層」へと昇格したが、外国人技能実習制度を「外国人労働者搾取のために悪用し続けている」などとして、2020年と2021年は「第2階層」に逆戻りという結果となっている。
2021年の「第1階層」には、欧州主要国、豪州、カナダ、米国、チリ、コロンビアなど28カ国・地域が指定されている。アジアでは、フィリピン、シンガポール、台湾、韓国の4カ国・地域がリストアップされている。韓国が長年連続して「第1階層」とされていることにはかなりの違和感がある。また、アジアでは僅か4カ国・地域のみが最上位とされているが、そのなかにフィリピンが含まれ、「第2階層」という日本より高い評価となっていることが注目される。
フィリピンは、2015年まで「第2階層・監視リスト」と「第2階層」の往来であったが、2016年に「第1階層」に昇格、それ以降6年連続で「第1階層」に指定されている。フィリピンは、人身売買対策のための対策や法整備を推進していることなどが評価されている。しかし依然、貧困層や先住民族、特に児童が人身売買の犠牲になるケースが少なくない。また、児童ポルノや児童買春などの性的人身売買の被害も少なくない。さらに、反政府組織において児童が兵士として活動させられているケースや海外就労フィリピン人(OFW)が就労先で被害を受けるケースもある。したがって、更なる対策強化・改善が必要とも指摘されている。