デジタル化推進のユニオンバンク、上半期94%増益

純利益83億ペソ、純金利収入7%増の148億ペソ

2021/07/27

 アボイティス財閥の有力銀行ユニオンバンク オブ フィリピン(ユニオンバンク、証券コード:UOB)は7月26日、2021年上半期(1月-6月)の決算速報を発表した。
 
 それによると、当上半期の純収入は前年同期比(以下同様)16%増の255億ペソと二桁増になった。本業の融資などによる純金利収入が7%増の148億ペソ、非金利収入は、売買益の増加や為替差益、手数料の増加に支えられ、33%増の107億ペソに達した。その結果、純利益は94%増の83億ペソと大幅増加、年換算の株主資本利益率(ROE)は15.9%に達した

 貸倒引当は56%減の31億ペソに収まった。2020年の新型コロナ禍での不良債権急増ピッチがおさまってきたことなどによる。6月末の不良債権(NPL)比率は2020年末の5.1%から4.7%に改善した。

 2021年6月末現在の総資産は7,336億ペソ。融資残高は、企業の借入需要の低下で、4%減の3,369億ペソにとどまった。一方、低コストのCASA預金(当座預金や普通預金)残高は28%増の2,996億ペソと二桁増加した

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックが顧客の行動をデジタルへ急速に移行させたため、ユニオンバンクのデジタル戦略は更に勢いを増した。第2四半期に最も多くのデジタル口座が開設され、2021年6月末現在、登録されたデジタルユーザーは290万人に達した。6月単月のデジタル取引は720万件超。

 なお、フィリピン中央銀行(BSP)は、7月15日、ユニオンバンクのデジタルバンク設立申請を承認。100%出資のデジタル銀行ライセンスを有する「ユニオン デジタルバンク」が誕生することになる。