日本、マニラ首都圏地下鉄第2期に2,533億円支援

第1期にも1千億円、移動時間2時間から40分に短縮

2021/07/28

 7月27日に日本外務省は「フィリピンの首都マニラにおいて、27日、越川和彦駐フィリピン共和国日本国特命全権大使とテオドロ・L・ロクシン・フィリピン共和国外務大臣との間で、フィリピン政府が、マニラ首都圏において地下鉄を整備するための円借款に関する交換公文の署名が行われた」と発表した。その対象案件の概要等は次のとおりである。

1.対象案件の概要:マニラ首都圏地下鉄計画フェーズ1第二期、供与限度額2,533億700万円
 この計画は、フィリピン政府がフィリピン初の地下鉄をマニラ首都圏において整備するために同政府に融資するもので、増加する輸送需要に対応してマニラ首都圏の深刻な交通渋滞を緩和するとともに、大気汚染物質や温室効果ガスの排出削減を図るものである。この計画で結ばれる区間(イーストバレンズエラ駅からニノイ・アキノ国際空港駅まで)の移動には、自動車で約2時間を要しているが、地下鉄利用により、約40分に短縮されることが見込まれている。
 
 これまで、地下鉄整備支援のために第一期(供与限度額1,045億3,000万円)の円借款を供与しており、今回はそれに続く第二期の融資となる。この計画にかかる資金協力は、2017年1月の日・フィリピン首脳会談で表明した、今後5年間で行われる予定のODA及び民間投資を含めた1兆円規模の支援の一環であるとともに、同年10月に日・フィリピン首脳会談の場で発表した「日・フィリピン共同声明」の具体化の一つである。この計画の実施により、マニラ首都圏全体における運輸・交通網の整備が進展することが期待される。

2.供与条件
(ア)金利:年0.1%(コンサルタント部分は年0.01%)
(イ)償還期間:40年(13年の据置期間を含む)
(ウ)調達条件:日本タイド