キリン出資のサンミゲルビール、上半期89%増益

純利益95億ペソ、売上27%増の543億ペソ

2021/08/06

 サンミゲルグループの食品と飲料事業を大統合して発足したサンミゲルフード&ビバレッジ(SMFB、証券コード:FB)は、8月5日、2021年上半期(1月~6月)の決算速報を開示した。
 
 SMFB全体の売上高は前年同期比(以下同様)20%増の1,468億ペソ、営業利益は103%増の230億4,200万ペソ、純利益は137%増の173億6,300万ペソに達した。そして、営業利益、純利益ともに、新型コロナウイルスパンデミック前の2019年上半期の各々216億ペソ、147億ペソを上回るに至った。
 
 ビール製造子会社のサンミゲル ブリュワリー(SMB、サンミゲルビール)の販売数量は15%増、売上高は27%増の543億3,200万ペソと二桁増収であった。増収とコスト節減との相乗効果により、営業利益は64%増の120億7,700万ペソ、純利益は89%増の95億0,700万ペソへと大幅増加した。新型コロナウイルス感染再拡大、飲食店での定員規制、一時的な店内飲食禁止など依然抑制要因も多いが、低調であった前年同期からは急回復している。サンミゲルビールには、キリン ホールディングス(キリン)が約48%出資している。
 
 洋酒事業を展開するヒネブラ サンミゲル(証券コード:GSMI)の販売数量は21%増、売上高は36%増の202億2,800万ペソ、営業利益は45%増の26億1,400万ペソ、純利益は66%増の20億8,700万ペソと大幅増収増益決算となった。巣篭り需要で2020年も大幅増益であったが、大幅続伸基調となっている。

 一方、食品部門のサンミゲル フーズ(SMF)の売上高は11%増の722億3,600万ペソ、営業利益は272%増の83億5,900万ペソ、純利益は362%増(約4.6倍)の61億7,800万ペソへと急回復した。新型コロナウイルス感染再拡大の影響を受けなかったわけではないが、家庭での調理に使われる製品群の売上増加、鶏肉事業の回復などが寄与した。