12日に中銀金融政策会合、金利据置観測支配的
預金準備率引き下げなど非金利政策発動の可能性
2021/08/10
フィリピン中央銀行は(BSP)は、現在、年8回の金融委員会(MB)政策会合を開催している。8月12日に、2021年5回目のMB政策会合が開催される予定である。
8月12日の会合においても、6会合連続での政策金利据え置きが決定されるとの観測が支配的である。有力経済紙であるビジネスワールド紙が実施した民間エコノミスト18名対象の事前調査においても、18名全員が金利据置が決定されると予想している。
7月のインフレ率が4.0%と7カ月連続で4%台での高止まりとなったが、一時的な供給サイドファクターによるものであり、MBが新型コロナウイルス禍による経済疲弊という状況で引き締めスタンスに転換することは考えられないようだ。また、現在の供給ファクターによるインフレ率高止まりは制御可能と見ているようだ。一方、4%台のインフレ率が続いている中での追加利下げの可能性もほとんどないととみているようだ。金融面での景気刺激が必要な場合は、利下げではなく、預金準備率引き下げなど非金利緩和政策が発動されると見られている。
6月24日に開催された2021年4回目のMB政策会合では、2020年12月17日、2021年2月11日、3月25日、5月12日に続いての5会合連続で、政策金利系の据え置きが決定された。すなわち、主要政策翌日物借入金利(RRP)2.00%を中心とする1.50%~2.50%という現行の金利コリドーが継続されることになった。この金利体系は、2016年に中央銀行が金利コリドー制を導入して以降の最低水準である。
インフレ率(2012年基準)推移とインフレ目標の推移
(出所:フィリピン国家統計庁と中央銀行資料より作成、2021年と2022年予想は中央銀行の6月24日時点の予想)
8月12日の会合においても、6会合連続での政策金利据え置きが決定されるとの観測が支配的である。有力経済紙であるビジネスワールド紙が実施した民間エコノミスト18名対象の事前調査においても、18名全員が金利据置が決定されると予想している。
7月のインフレ率が4.0%と7カ月連続で4%台での高止まりとなったが、一時的な供給サイドファクターによるものであり、MBが新型コロナウイルス禍による経済疲弊という状況で引き締めスタンスに転換することは考えられないようだ。また、現在の供給ファクターによるインフレ率高止まりは制御可能と見ているようだ。一方、4%台のインフレ率が続いている中での追加利下げの可能性もほとんどないととみているようだ。金融面での景気刺激が必要な場合は、利下げではなく、預金準備率引き下げなど非金利緩和政策が発動されると見られている。
6月24日に開催された2021年4回目のMB政策会合では、2020年12月17日、2021年2月11日、3月25日、5月12日に続いての5会合連続で、政策金利系の据え置きが決定された。すなわち、主要政策翌日物借入金利(RRP)2.00%を中心とする1.50%~2.50%という現行の金利コリドーが継続されることになった。この金利体系は、2016年に中央銀行が金利コリドー制を導入して以降の最低水準である。
インフレ率(2012年基準)推移とインフレ目標の推移
年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年予 | 2022年予 |
インフレ率実績 | 0.7% | 1.3% | 2.9% | 5.2% | 2.5% | 2.6% | 4.0% | 3.0% |
インフレ目標 | 2~4% | 2~4% | 2~4% | 2~4% | 2~4% | 2~4% | 2~4% | 2~4% |