比トヨタ環境対策も推進、太陽光発電能力50%増強へ
CO2やVOC排出削減、エネルギー・水の消費節減進展
2021/08/17
「トヨタ環境チャレンジ2050(TEC2050)」のもとで環境を経営の最重要課題のひとつと位置付け、CO2排出ゼロにとどまらず環境へのプラスを目指すトヨタグループの一員として、トヨタ自動車のフィリピン拠点であるトヨタモーター フィリピン(TMP)は、クルマの製造時におけるCO2排出量ゼロを目指す「工場CO2ゼロチャレンジ」など環境マネジメントを強化している。
TMP製造工場は環境保全を最優先にデザインされており、太陽光発電システムの導入なども積極的に進められている。TMPサステナビリティレポートによると、下表のとおり、エネルギーや水の消費量が減少傾向を辿っている。2020年は新型コロナウイルス感染拡大やその対策としての地域隔離措置にともなう生産台数減少もあって、電力消費量が前年比(以下同様)31%減少、軽油消費量は37%減少、LPG消費量は34%減少、水使用量は32%減少した。
生産台数の大幅減少で、2020年の生産一台当たりのエネルギーや水の消費量は小幅増加、生産1台当たりのCO2排出量も3%増の0.29トンへと小幅増加したが、生産台数の大幅減少という一時的要因であり、趨勢としては減少傾向を辿ってきている。また、揮発性有機化合物(VOC)の排出量も減少傾向を続けている。TMPは、サプライヤー、ディーラー、その他のビジネスパートナーなどと協力して、CO2排出量をゼロまたはマイナスにするというTEC2050の目標を確実に達成するための積極的な対策を講じている。
TMPは、代替エネルギー源に目を向けることで、CO2排出量を削減、気候変動の悪影響の緩和に貢献していく方針である。製造工場でのプラントゼロCO2排出という目標に沿って、2017年にラグナ州サンタロサ工場に1メガワット(MW)の屋根置き太陽光発電システムを導入した。この太陽光発電システムは、サンタロサ工場における電力消使用量の4%を供給、年間859トンのCO2削減に寄与している。0.5MWの太陽発電装置の追加設置を計画している。この追加装置が稼働すれば、71.8MWの電力消費節減や381トンのCO2追加削減につながる。
TMPは、供給が限られている水資源の節減にも熱心に取り組んでおり、製造現場での水リサイクルや雨水収集・有効利用などに注力。TMPの廃水処理プラントは、高性能膜分離活性汚泥法技術を使用して、1時間あたり55立方メートルの廃水を処理できる。これにより、TMPは、廃水を再生し使用するシステムを確立している。
TMPは、生産過程でのグリーンテクノロジー活用に加え、全社的に持続可能な環境に優しい慣行を実践することに取り組んでいる。社員食堂では使い捨てプラスチック類一切不使用など、廃棄物の最小化とリサイクルが、工場とオフィスの双方で実行されている。
TMPは、ハイブリッド車(HV)の啓蒙・普及やそれによる環境保全啓蒙活動も加速化している。2009年央にはフィリピン初となるHV「プリウス」を発売した。すなわち、今年プリウス発売12周年を迎えたのである。2012年1月には「プリウスC(日本名:アクア)」を発売、2019年9月にはカローラ・アルティスHV車を発売した。レクサス車販売会社であるレクサス・マニラもHVを投入してきている。そして、電気代が高く充電ステーションの整備が進んでいないフィリピンでは、エコカー普及においては、HVが現実的な選択肢と考えられるなどと訴えている。
トヨタモーター フィリピンのエネルギーなどの月間平均消費量推移
(出所:TMPサステナビリティレポートなどより作成)
トヨタモーター フィリピンの生産1台当たりのエネルギー等消費量・CO2排気量推移
(出所:TMPサステナビリティレポートなどより作成)
TMP製造工場は環境保全を最優先にデザインされており、太陽光発電システムの導入なども積極的に進められている。TMPサステナビリティレポートによると、下表のとおり、エネルギーや水の消費量が減少傾向を辿っている。2020年は新型コロナウイルス感染拡大やその対策としての地域隔離措置にともなう生産台数減少もあって、電力消費量が前年比(以下同様)31%減少、軽油消費量は37%減少、LPG消費量は34%減少、水使用量は32%減少した。
生産台数の大幅減少で、2020年の生産一台当たりのエネルギーや水の消費量は小幅増加、生産1台当たりのCO2排出量も3%増の0.29トンへと小幅増加したが、生産台数の大幅減少という一時的要因であり、趨勢としては減少傾向を辿ってきている。また、揮発性有機化合物(VOC)の排出量も減少傾向を続けている。TMPは、サプライヤー、ディーラー、その他のビジネスパートナーなどと協力して、CO2排出量をゼロまたはマイナスにするというTEC2050の目標を確実に達成するための積極的な対策を講じている。
TMPは、代替エネルギー源に目を向けることで、CO2排出量を削減、気候変動の悪影響の緩和に貢献していく方針である。製造工場でのプラントゼロCO2排出という目標に沿って、2017年にラグナ州サンタロサ工場に1メガワット(MW)の屋根置き太陽光発電システムを導入した。この太陽光発電システムは、サンタロサ工場における電力消使用量の4%を供給、年間859トンのCO2削減に寄与している。0.5MWの太陽発電装置の追加設置を計画している。この追加装置が稼働すれば、71.8MWの電力消費節減や381トンのCO2追加削減につながる。
TMPは、供給が限られている水資源の節減にも熱心に取り組んでおり、製造現場での水リサイクルや雨水収集・有効利用などに注力。TMPの廃水処理プラントは、高性能膜分離活性汚泥法技術を使用して、1時間あたり55立方メートルの廃水を処理できる。これにより、TMPは、廃水を再生し使用するシステムを確立している。
TMPは、生産過程でのグリーンテクノロジー活用に加え、全社的に持続可能な環境に優しい慣行を実践することに取り組んでいる。社員食堂では使い捨てプラスチック類一切不使用など、廃棄物の最小化とリサイクルが、工場とオフィスの双方で実行されている。
TMPは、ハイブリッド車(HV)の啓蒙・普及やそれによる環境保全啓蒙活動も加速化している。2009年央にはフィリピン初となるHV「プリウス」を発売した。すなわち、今年プリウス発売12周年を迎えたのである。2012年1月には「プリウスC(日本名:アクア)」を発売、2019年9月にはカローラ・アルティスHV車を発売した。レクサス車販売会社であるレクサス・マニラもHVを投入してきている。そして、電気代が高く充電ステーションの整備が進んでいないフィリピンでは、エコカー普及においては、HVが現実的な選択肢と考えられるなどと訴えている。
トヨタモーター フィリピンのエネルギーなどの月間平均消費量推移
項目 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 19年伸び率 | 20年伸び率 |
電力消費量(MWh) | 1,941.3 | 1,911.2 | 2,002.1 | 1,781.7 | 1,927.9 | 1,325.3 | 8% | -31% |
LPG消費量(kg) | 47,856 | 54,205 | 58,166 | 54,841 | 58,626 | 38,800 | 7% | -34% |
軽油消費量(ℓ) | 22,620 | 20,511 | 27,030 | 23,289 | 20,192 | 12,692 | -13% | -37% |
水消費量(㎥) | 17,893 | 16,533 | 17,017 | 15,575 | 15,857 | 10,743 | 2% | -32% |
トヨタモーター フィリピンの生産1台当たりのエネルギー等消費量・CO2排気量推移
項目 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 19年伸び率 | 20年伸び率 |
電力消費量(kWh) | 477.75 | 416.77 | 387.80 | 463.70 | 428.21 | 451.51 | -8% | 5% |
LPG消費量(kg) | 11.79 | 11.82 | 11.27 | 14.27 | 13.02 | 13.22 | -9% | 2% |
軽油消費量(ℓ) | 5.51 | 4.84 | 5.24 | 6.06 | 4.48 | 4.32 | -26% | -4% |
水消費量(㎥) | 4.38 | 3.61 | 3.30 | 4.05 | 3.52 | 3.66 | -13% | 4% |
CO2排出量(t) | 0.30 | 0.27 | 0.25 | 0.30 | 0.28 | 0.29 | -8% | 3% |
VOC排出量(g/㎡) | 50.55 | 45.91 | 43.99 | 47.86 | 48.06 | 47.93 | 0.4% | -0.3% |