比トヨタ急回復、上半期純利益3.4倍の34億ペソ
売上高70%増の637億ペソ、市場シェア45.6%
2021/08/18
大手商業銀行であるメトロポリタンバンク&トラスト(メトロバンク、証券コード:MBT)グループの持株会社GTキャピタル ホールディングス(証券コード:GTCAP)がトヨタ車事業を強化してきている。GTCAPは、トヨタ自動車の製造・販売拠点であるトヨタモーター フィリピン(TMP)の株式保有比率を51%に高めているほか、有力販社であるトヨタ マニラベイ(TMBC)の58.05%を保有している。さらに、2014年9月には、トヨタ ファイナンシャルサービス フィリピン(TFSPC)株式40%を取得した。
これらのトヨタ関連各社は各々存在感を強めている。特に、TMPの強さが際立っている。新車販売シェアは断トツであり、2020年まで19年連続でフィリピン自動車市場の三冠王(総販売台数、商用車販売台数、乗用車販売台数いずれもトップ)となっている。個別モデル販売ランキングにおいても、常に上位を独占している。
8月17日発表のGTCAPの2021年上半期(1月~6月)事業報告書によると、TMPの2021年上半期の卸売ベースの販売台数は前年同期比(以下同様)89.8%増の6万3,375台、小売ベースの販売台数も78.9%増の6万3,758台へと大幅増加した。業界全体では51.2%増の13万9,949台となり、TMPの市場シェアは45.6%に達し、前年同期の38.5%から大幅上昇、断トツの座をさらに強固なものとした。
これらの結果、TMPの売上高は69.9%増の637億ペソ、粗利益は52.8%増の75億8,530万ペソ、帰属純利益は238.7%増(約3.4倍)の33億6,770万ペソと急増した。新型コロナウイルス感染再拡大や地域隔離措置の再強化など事業環境は依然厳しかったが、市場シェアの更なる拡大、高採算車種の販売比率上昇、コスト節減、比較となる2020年上半期が新型コロナ禍やタール山噴火等により業界全体として非常に不振であったこと等により、大幅増収増益決算となった。
2021年1月に完全子会社であった販社トヨタ サンタロサの全株式500万株(1株当たり額面:100ペソ)の売却を完了したことも大幅増益の一因となった。トヨタ サンタロサの株式500万株のうち、300万株(60%)はGTキャピタルの100%子会社であるGTキャピタル オートディーラーシップ ホールディングス(GTCAD)に、200万株(40%)はトヨタカローラ札幌の完全子会社であるトヨタカローラ札幌フィリピン ホールディングス(TCSPHI)に譲渡された。
表1. トヨタモーター フィリピンの上半期業績比較 (単位:百万ペソ、21年は速報値)
(出所:GTキャピタル事業報告書などより作成)
表2. トヨタモーター フィリピンの年間業績推移(単位:百万ペソ)
(出所:GTキャピタル年次報告書より作成)
TMPは、2021年6月にミンダナオ島サンボアンガ半島に位置する北サンボアンガ州の州都であるディポログ市に最新鋭の販売店「トヨタ ディポログシティ」をオープンした。この結果、TMPの販売店は、6月30日現在で71店となった。71店のうち、6店が自社保有販売店である。これらは、トヨタ・マカティ+1支店(トヨタ・ビクータン)、トヨタ・サンフェルナンド(パンパンガ州)+2支店(トヨタ・ブラカン、トヨタ・タルラック)、レクサス・マニラ(BGC)である。
なお、TMPは、1988年8月3日にトヨタ自動車のフィリピン車両製造/販売拠点として設立された。出資比率はトヨタ自動車34%、三井物産15%、GTキャピタル(GTCAP)51%となっている。現在、「ヴィオス」や「イノーバ」を現地生産しているほか、各種乗用車、商用車の輸入販売、国内向け部品販売、部品輸出などを手掛けている。また、販社「レクサス・マニラ」を通じて、ハイブリッド車を含む各種レクサス車の輸入販売を行っている。2009年1月に開業し一昨年10周年を迎えた「レクサス・マニラ」は三井物産との合弁企業であり、TMPCの出資比率は75%、三井物産の出資比率が25%となっている。
これらのトヨタ関連各社は各々存在感を強めている。特に、TMPの強さが際立っている。新車販売シェアは断トツであり、2020年まで19年連続でフィリピン自動車市場の三冠王(総販売台数、商用車販売台数、乗用車販売台数いずれもトップ)となっている。個別モデル販売ランキングにおいても、常に上位を独占している。
8月17日発表のGTCAPの2021年上半期(1月~6月)事業報告書によると、TMPの2021年上半期の卸売ベースの販売台数は前年同期比(以下同様)89.8%増の6万3,375台、小売ベースの販売台数も78.9%増の6万3,758台へと大幅増加した。業界全体では51.2%増の13万9,949台となり、TMPの市場シェアは45.6%に達し、前年同期の38.5%から大幅上昇、断トツの座をさらに強固なものとした。
これらの結果、TMPの売上高は69.9%増の637億ペソ、粗利益は52.8%増の75億8,530万ペソ、帰属純利益は238.7%増(約3.4倍)の33億6,770万ペソと急増した。新型コロナウイルス感染再拡大や地域隔離措置の再強化など事業環境は依然厳しかったが、市場シェアの更なる拡大、高採算車種の販売比率上昇、コスト節減、比較となる2020年上半期が新型コロナ禍やタール山噴火等により業界全体として非常に不振であったこと等により、大幅増収増益決算となった。
2021年1月に完全子会社であった販社トヨタ サンタロサの全株式500万株(1株当たり額面:100ペソ)の売却を完了したことも大幅増益の一因となった。トヨタ サンタロサの株式500万株のうち、300万株(60%)はGTキャピタルの100%子会社であるGTキャピタル オートディーラーシップ ホールディングス(GTCAD)に、200万株(40%)はトヨタカローラ札幌の完全子会社であるトヨタカローラ札幌フィリピン ホールディングス(TCSPHI)に譲渡された。
表1. トヨタモーター フィリピンの上半期業績比較 (単位:百万ペソ、21年は速報値)
年 | 2020年 | 2021年 | 伸び率 |
売上高 | 37,500 | 63,706 | 69.9% |
粗利益 | 4,965 | 7,585 | 52.8% |
営業利益 | 1,289 | 3,965 | 207.7% |
帰属純利益 | 994 | 3,368 | 238.7% |
表2. トヨタモーター フィリピンの年間業績推移(単位:百万ペソ)
年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 20年伸び率 |
売上高 | 104,887 | 114,289 | 155,833 | 185,337 | 158,941 | 168,616 | 99,847 | -40.8% |
粗利益 | 14,629 | 18,299 | 21,072 | 23,059 | 16,620 | 21,143 | 13,022 | -38.4% |
営業利益 | 9,859 | 13,910 | 15,669 | 16,798 | 10,255 | 12,786 | 4,546 | -64.4% |
帰属純利益 | 7,209 | 10,195 | 11,929 | 13,186 | 7,882 | 9,082 | 3,306 | -63.4% |
総資産 | 26,681 | 32,278 | 36,003 | 42,158 | 36,428 | 38,751 | 45,396 | 17.1% |
株主資本 | 11,923 | 15,228 | 17,492 | 19,148 | 15,238 | 15,608 | 9,502 | -39.2% |
TMPは、2021年6月にミンダナオ島サンボアンガ半島に位置する北サンボアンガ州の州都であるディポログ市に最新鋭の販売店「トヨタ ディポログシティ」をオープンした。この結果、TMPの販売店は、6月30日現在で71店となった。71店のうち、6店が自社保有販売店である。これらは、トヨタ・マカティ+1支店(トヨタ・ビクータン)、トヨタ・サンフェルナンド(パンパンガ州)+2支店(トヨタ・ブラカン、トヨタ・タルラック)、レクサス・マニラ(BGC)である。
なお、TMPは、1988年8月3日にトヨタ自動車のフィリピン車両製造/販売拠点として設立された。出資比率はトヨタ自動車34%、三井物産15%、GTキャピタル(GTCAP)51%となっている。現在、「ヴィオス」や「イノーバ」を現地生産しているほか、各種乗用車、商用車の輸入販売、国内向け部品販売、部品輸出などを手掛けている。また、販社「レクサス・マニラ」を通じて、ハイブリッド車を含む各種レクサス車の輸入販売を行っている。2009年1月に開業し一昨年10周年を迎えた「レクサス・マニラ」は三井物産との合弁企業であり、TMPCの出資比率は75%、三井物産の出資比率が25%となっている。