7月のOFW送金額2.6%増、6カ月連続プラスに

7カ月間で6%増の198億ドル、日本から約9億ドル

2021/09/16

 フィリピン中央銀行(BSP)対外収支データによると国際通貨基金(IMF)の「国際収支国際投資ポジションマニュアル」(BPM第6版)に準拠した包括的OFW送金データ(銀行経由現金送金+帰国時持参分+非現金型資産贈与含む)によると、2021年7月の包括的フィリピン人海外就労者(OFW)本国送金額(速報値)は前年同月比2.6%増の31億6,700万米ドル。成長に寄与したのは、雇用契約が1年以上の陸上ベースのOFWの送金(1.6%増の25億0,600万米ドル)及び雇用契約が1年未満の陸・海上ベースのOFWの送金(6.9%増の5億9,500万米ドル)。

 2021年年初7カ月では前年同期比6.0%増の197億8,300万米ドルと増加した。OFW送金は依然としてフィリピンの主要な外貨流入源である。

 包括的OFW送金額      (単位:百万米ドル、対前年伸び率:%)
項目 年間推移 1-7月
2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 20年 21年
送金額 29,706 31,288 32,213 33,467 33,194 18,658 19,783
伸び率 4.9 5.3 3.0 3.9 -0.8 -2.4 6.0
(出所:BSP資料より作成、2020-21年は速報値)

 月別包括的OFW送金額推移      (単位:百万米ドル、対前年同月伸び率:%)

2020年 2021年
7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月
送金額 3,085 2,756 2,888 3,044 2,643 3,205 2,895 2,759 2,801 2,574 2,652 2,936 3,167
伸び率 7.6 -4.2 9.1 2.5 0.1 -0.3 -1.7 5.2 5.6 13.1 13.3 7.3 2.6
(出所:BSP資料より作成、全て速報値)

 2021年7月の包括的フィリピン人海外就労者(OFW)本国送金額のうち、中央銀行が把握している公式銀行ルートによるOFW現金送金額(速報値)は前年同月比2.5%増の28億5,300万米ドル。そのうち、陸上ベースのOFWからの送金額は1.6%増の23億0,800万米ドル、海上ベースのOFWからの送金額は6.9%増の5億4,500万米ドル。

 2021年年初7カ月の累計は前年同期比5.8%増の177億7,100万米ドル。そのうち、陸上ベースのOFWからの送金額は6.5%増の140億9,300万米ドル、海上ベースのOFWからの送金額は3.0%増の36億7,800万米ドルだった。送金元の国別動向については、1位が米国で前年同期比6.7%増の71億8,400万米ドルで、全体の40.4%を占めた。次いで、2位はシンガポールの3.6%増の12億2,800万米ドル、3位サウジアラビアの0.6%減の10億0,900万米ドル、4位日本の2.3%減の8億9,400万米ドル(シェア5.0%)、5位英国の8.7%増の8億7,100万米ドルなど。上位10カ国で送金全体の78.6%を占めた。

 ただし、情報筋による送金データにはある程度の制約がある。海外の様々な都市の送金センターの一般的なやり方として、コルレス銀行を通じて送金を処理するが、コルレス銀行の大部分が米国にある。また、マネークーリエ(現金宅配)サービスを通じて処理された送金は、実際の送金の出所(国)によって分類できない。

 OFWからの銀行経由送金額推移  (単位:百万米ドル、対前年伸び率:%)
項目 年間推移 1-7月
2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 20年 21年
送金額 26,900 28,060 28,943 30,133 29.903 16,802 17,771
伸び率 5.0 4.3 3.1 4.1 -0.8 -2.4 5.8
(出所:BSP資料より作成、2020-21年は速報値)

 月別OFWからの銀行経由送金額推移   (単位:百万米ドル、対前年同月伸び率:%)

2020年 2021年
7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月
送金額 2,783 2,483 2,601 2,747 2,379 2,890 2,603 2,476 2,514 2,305 2,382 2,638 2,853
伸び率 7.8 -4.1 9.3 2.9 0.3 -0.4 -1.7 5.0 4.9 12.7 13.1 7.0 2.5
(出所:BSP資料より作成、全て速報値)