JERA、アボイティス パワーに約1,750億円出資へ
株式27%取得、LNG活用し脱炭素化加速支援
2021/09/28
JERA(東京電力FPと中部電力の折半合弁エネルギー企業、本社:東京都中央区日本橋)は、9月27日、「フィリピンの大手電力会社であるアボイティス パワー(証券コード:AP)の発行済み株式の約27%を約15億8,000万米ドル(約1,750億円)で取得することとし、27日、APの親会社であるアボイティスエクイティーベンチャーズ(証券コード:AEV)等との間で株式売買契約を締結した」と発表した。
発表によると、今後は、必要な許認可取得等の手続きを経て、株式取得を完了する見込みである。JERAは、APへの出資により、フィリピンのエネルギー分野におけるプレゼンスをさらに向上させ、フィリピンの脱炭素化を加速させていく方針とのことである。
アボイティス財閥の旗艦企業であるAEVの子会社であるAPは、フィリピン証券取引所(PSE)に上場している大手電力企業である。建設中を含む約4,600メガワット(MW)の発電所を保有・運営し、フィリピンの約2割の電力供給(下表参照)を担うとともに、セブ市やダバオ市では配電事業を手掛けている。今後増大する電力需要への対応と、エネルギーの脱炭素化を両立していくため、2030年までに再生可能エネルギーを中心に開発を進め、9,200MWまで発電資産を拡大するとともに、火力発電と再生可能エネルギーのバランスを50:50とする方針を示している。
JERAは、「JERAゼロエミッション2050」を掲げ、2050年時点における国内外の事業からのCO2排出量ゼロに挑戦している。APの事業に参画することで、APとともに、フィリピンにおけるエネルギーの脱炭素化に取り組んでいく。具体的には、足下のCO2排出量削減と、変動する再生可能エネルギーを支え、その導入量拡大に貢献していくため、LNGの活用等に取り組む。APとの間では、LNG to Powerプロジェクトの共同開発や、火力発電所における技術協力を進めていくことに合意している。さらに、27日、LNG調達の協業に関する基本合意書を締結した。
将来的には、APとともに、脱炭素を目指すロードマップを策定し、JERAが日本国内で技術開発中の「ゼロエミッション火力」を、APが保有・運営する発電所に導入することも検討する。フィリピンでは、2030年までに年平均4.2%の電力需要の伸びが見込まれており、電力インフラの整備が急務となっている。一方で、同国は日本と同じくエネルギー資源が乏しく、その多くを輸入に頼っている。フィリピン特有の事情も十分に勘案しながら、APと協力して、フィリピンのエネルギーの安定供給を支えるとともに、低コストかつスピーディーな脱炭素化に貢献して行く方針である。
JERAは、フィリピンにおいて、丸紅との折半合弁企業「チーム・エナジー」を通じて、強大な電力事業基盤を構築し、既にフィリピン発電業界において中心的存在となっている。
なお、APの2021年上半期(1月~6月)の収入は13.8%増の604億ペソ、純利益は171%増(約2.7倍)の101億ペソであった。9月27日のPSEでの終値は前日比4.75%上昇、34.20ペソとなった。この終値をベースにした時価総額は2,403億ペソ。2021年6月末時点でのAEVによるAP保有比率は76.88%となっている。今後10年間で再生可能エネルギー発電所の建設(合計3,700メガワット)に1,900億ペソを投資するとの方針を表明した。
フィリピンのタイプ別発電能力推移(単位:MW、シェア%)
(出所:フィリピンエネルギー省資料より作成)
発表によると、今後は、必要な許認可取得等の手続きを経て、株式取得を完了する見込みである。JERAは、APへの出資により、フィリピンのエネルギー分野におけるプレゼンスをさらに向上させ、フィリピンの脱炭素化を加速させていく方針とのことである。
アボイティス財閥の旗艦企業であるAEVの子会社であるAPは、フィリピン証券取引所(PSE)に上場している大手電力企業である。建設中を含む約4,600メガワット(MW)の発電所を保有・運営し、フィリピンの約2割の電力供給(下表参照)を担うとともに、セブ市やダバオ市では配電事業を手掛けている。今後増大する電力需要への対応と、エネルギーの脱炭素化を両立していくため、2030年までに再生可能エネルギーを中心に開発を進め、9,200MWまで発電資産を拡大するとともに、火力発電と再生可能エネルギーのバランスを50:50とする方針を示している。
JERAは、「JERAゼロエミッション2050」を掲げ、2050年時点における国内外の事業からのCO2排出量ゼロに挑戦している。APの事業に参画することで、APとともに、フィリピンにおけるエネルギーの脱炭素化に取り組んでいく。具体的には、足下のCO2排出量削減と、変動する再生可能エネルギーを支え、その導入量拡大に貢献していくため、LNGの活用等に取り組む。APとの間では、LNG to Powerプロジェクトの共同開発や、火力発電所における技術協力を進めていくことに合意している。さらに、27日、LNG調達の協業に関する基本合意書を締結した。
将来的には、APとともに、脱炭素を目指すロードマップを策定し、JERAが日本国内で技術開発中の「ゼロエミッション火力」を、APが保有・運営する発電所に導入することも検討する。フィリピンでは、2030年までに年平均4.2%の電力需要の伸びが見込まれており、電力インフラの整備が急務となっている。一方で、同国は日本と同じくエネルギー資源が乏しく、その多くを輸入に頼っている。フィリピン特有の事情も十分に勘案しながら、APと協力して、フィリピンのエネルギーの安定供給を支えるとともに、低コストかつスピーディーな脱炭素化に貢献して行く方針である。
JERAは、フィリピンにおいて、丸紅との折半合弁企業「チーム・エナジー」を通じて、強大な電力事業基盤を構築し、既にフィリピン発電業界において中心的存在となっている。
なお、APの2021年上半期(1月~6月)の収入は13.8%増の604億ペソ、純利益は171%増(約2.7倍)の101億ペソであった。9月27日のPSEでの終値は前日比4.75%上昇、34.20ペソとなった。この終値をベースにした時価総額は2,403億ペソ。2021年6月末時点でのAEVによるAP保有比率は76.88%となっている。今後10年間で再生可能エネルギー発電所の建設(合計3,700メガワット)に1,900億ペソを投資するとの方針を表明した。
フィリピンのタイプ別発電能力推移(単位:MW、シェア%)
発電タイプ | 2010年 | 2015年 | 2020年 | |||
能力 | シェア | 能力 | シェア | 能力 | シェア | |
石炭 | 4,867 | 29.75 | 5,963 | 31.77 | 10,944 | 41.63 |
石油ベース | 3,193 | 19.52 | 3,610 | 19.24 | 4,237 | 16.12 |
天然ガス | 2,861 | 17.49 | 2,862 | 15.25 | 3,453 | 13.14 |
再生可能エネルギー | 5,437 | 33.24 | 6,330 | 33.73 | 7,653 | 29.11 |
地熱 | 1,966 | 12.02 | 1,917 | 10.22 | 1,928 | 7.33 |
水力 | 3,400 | 20.78 | 3,600 | 19.18 | 3,779 | 14.38 |
風力 | 33 | 0.20 | 427 | 2.27 | 443 | 1.69 |
太陽光 | 1 | 0.01 | 165 | 0.88 | 1,019 | 3.88 |
バイオマス | 38 | 0.24 | 221 | 1.18 | 483 | 1.84 |
合計 | 16,358 | 100.00 | 18,765 | 100.00 | 26,286 | 100.00 |