RCBCが脱炭素推進へ、比銀行初のPCAF加盟

投融資による温室効果ガス排出量を計測・開示

2021/09/29

 ユーチェンコ財閥傘下の有力拡大商業銀行であるリサール商業銀行(RCBC、証券コード:RCB)は、環境保全型事業を推進しつつある。

 その一環として、金融機関の投融資を通じた間接的な温室効果ガス排出量を計測・開示するための取り組みを行う国際的なイニシアティブ「Partnership for Carbon Accounting Financials (PCAF)」に、フィリピンの銀行として初めて加盟した。これにより、融資と投資によって間接的に排出される温室効果ガス(GHG)排出量を開示する。

 PCAFは、2015年に欧州金融機関を中心として発足した国際的なイニシアティブで、金融機関のファイナンスポートフォリオにおける、投資や融資等全ての資産クラスについて温室効果ガス排出量を計測する手法を開発している。2021年8月末現在、世界40ヵ国以上の商業銀行、投資銀行、保険会社、機関投資家等約150のグローバルな金融機関が加盟している。そのうち20はアジア太平洋地域の金融機関であり、みずほファイナンシャルグループが2021年7月、日本の金融機関として初めて加盟した。

 RCBCは、環境保全関連融資にも注力してきている。2020年末のサステナビリティ融資残高が521億6,500万ペソに達した。そのうちの327億2,200万ペソが15のグリーン事業(温暖化対策、輸送効率化、省エネなど)に、194億3,200万ペソが9,947の社会事業(割安住宅、雇用創出など)に融資されている。8月末には約580億ペソに達し、融資ポートフォリオの10%を占めるに至っている。
 
 また、2019年に、ASEANグリーン・ボンド(温暖化対策債券)基準に沿ったグリーン・ファイナンス(環境関連金融)フレームワーク(1,000億ペソ)を創設している。2021年3月に、そのフレームワークのもとで、ペソ建ての2年半物と5年3カ月物のASEANサステビリィティボンド(温暖化対策債券、グリーン・ボンド)を合計約179億ペソ発行した。このグリーン・ボンドは、3月31日、フィリピン ディーリング システム ホールディングス社(PDS)傘下の電子取引所(PDEx)に上場された。