JICAとJAXA、フィリピン等の宇宙人材育成支援
衛星での災害対策も推進、今週は世界宇宙週間
2021/10/06
10月4日から10日は、宇宙技術の発展を進めていこうと国連が定めた世界宇宙週間である。
世界宇宙週間に際し、国際協力機構(JICA)は、10月5日、「現在、JICAが取り組む途上国へのさまざまな協力にも、宇宙技術が使われている。例えば、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と連携し、人工衛星を活用して、南米ブラジルなどで違法伐採といった森林変化を監視するシステムの構築・運用をしている。また、東南アジア諸国連合での洪水や火山噴火などの災害対策にも人工衛星からの情報が欠かせない」とコメントした。
JICAによると、途上国でのさまざまな課題解決に向け、宇宙から昼夜・天候を問わず継続的に地上を観測している地球観測衛星からのデータ利用をはじめ、今後さらに宇宙技術の活用が増加すると見込まれており、いずれの国においても宇宙技術の担い手となる宇宙人材の育成が急務となっている。そんななか、JICAは東南アジアを中心に、宇宙人材の育成支援に取り組み始めた。
具体的には、JICAとJAXAが連携し、東南アジアを中心に、将来、自国で宇宙技術開発や利用を担う実務者・研究者の学びを支援している。衛星の開発や観測データの利用、宇宙利用関連政策といったテーマでの研修を実施。日本の大学教員やJAXAの研究者、民間企業の実務者、政策担当者ほかから、最先端の技術や政策について学ぶ機会を提供している。
また、研究を通じて宇宙技術関連の理解を深めるため、東京大学や政策研究大学院大学、慶應義塾大学、九州工業大学などの大学院への留学を支援している。さらに、アジア・太平洋地域宇宙機関会議(APRSAF)や、その他の交流機会を通じ、研修や留学の支援対象国の関係者に日本の関係者を加えた人材のネットワーク構築・拡充も推進している。
JJ-NeST(JICA-JAXA Network for Utilization of Space Technology)の留学制度で、今年6月に訪日し、東京大学で学んでいるフィリピンのチャールストン・アンバタリ氏は、「日本での宇宙技術の活用はとても実践的で、フィリピンが目指すものと一致している。両国は、台風や地震、火山の噴火といった気象事象や地理的な条件が似ている。防災などの面でも、日本の宇宙技術の学びはフィリピンでも応用できると考えられる。フィリピンに戻ったら人工衛星プロジェクトを主導し、宇宙技術利用に関する政策にも関わっていきたい。将来は東南アジアの国々が協力して宇宙開発を行うためのネットワーク構築に貢献していきたい」とコメントしている。
JICAは、「宇宙関連技術はJICAにとって地上の課題を解決する際の有用なツールである。森林・自然環境保全、防災、都市開発、農林水産振興をはじめ、多様な社会経済活動に従事するさまざまなバックグラウンドをもつ人材が、宇宙関連技術の活用も視野に入れ、取り組みを展開していくことが、SDGsの達成ほか、多様な課題解決には重要と考えている。宇宙関連技術の活用が容易にできるようJJ-NeSTを通じ、人材の育成と人的ネットワークの形成を推進して行きたい」と強調している。
なお、2016年4月27日、国際宇宙ステーションの「きぼう」日本実験棟から超小型衛星「DIWATA-1」が、筑波宇宙センターの「きぼう」運用管制チームからのコマンドにより放出された。50㎏級超小型衛星の「きぼう」からの放出はJAXAとして初めてのことであった。「DIWATA-1」は、フィリピン科学技術省(DOST)、フィリピン大学ディリマン校、東北大学、北海道大学が共同開発した50㎏級の超小型衛星であった。
フィリピン初の国産衛星である「DIWATA-1」は、フィリピン科学技術省から派遣された若手エンジニア達が中心となり、東北大学・北海道大学がその開発・製造を、JAXAは、打上げから軌道への放出にいたるまでの作業を担当した。このようなフィリピンの宇宙開発の歴史に刻まれる記念すべきミッションの成功に4者が連携・貢献し、日本とフィリピンの緊密な協力と宇宙の平和協力を実現した。
さらに、フィリピン初の小型立方体衛星(キューブサット)「MAYA–1」が、2018年6月29日に発射され、その後国際宇宙ステーションから放出された。この衛星は、九州工業大学に在学中の2名のフィリピン人大学院生によって開発されたなどの経緯がある。
世界宇宙週間に際し、国際協力機構(JICA)は、10月5日、「現在、JICAが取り組む途上国へのさまざまな協力にも、宇宙技術が使われている。例えば、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と連携し、人工衛星を活用して、南米ブラジルなどで違法伐採といった森林変化を監視するシステムの構築・運用をしている。また、東南アジア諸国連合での洪水や火山噴火などの災害対策にも人工衛星からの情報が欠かせない」とコメントした。
JICAによると、途上国でのさまざまな課題解決に向け、宇宙から昼夜・天候を問わず継続的に地上を観測している地球観測衛星からのデータ利用をはじめ、今後さらに宇宙技術の活用が増加すると見込まれており、いずれの国においても宇宙技術の担い手となる宇宙人材の育成が急務となっている。そんななか、JICAは東南アジアを中心に、宇宙人材の育成支援に取り組み始めた。
具体的には、JICAとJAXAが連携し、東南アジアを中心に、将来、自国で宇宙技術開発や利用を担う実務者・研究者の学びを支援している。衛星の開発や観測データの利用、宇宙利用関連政策といったテーマでの研修を実施。日本の大学教員やJAXAの研究者、民間企業の実務者、政策担当者ほかから、最先端の技術や政策について学ぶ機会を提供している。
また、研究を通じて宇宙技術関連の理解を深めるため、東京大学や政策研究大学院大学、慶應義塾大学、九州工業大学などの大学院への留学を支援している。さらに、アジア・太平洋地域宇宙機関会議(APRSAF)や、その他の交流機会を通じ、研修や留学の支援対象国の関係者に日本の関係者を加えた人材のネットワーク構築・拡充も推進している。
JJ-NeST(JICA-JAXA Network for Utilization of Space Technology)の留学制度で、今年6月に訪日し、東京大学で学んでいるフィリピンのチャールストン・アンバタリ氏は、「日本での宇宙技術の活用はとても実践的で、フィリピンが目指すものと一致している。両国は、台風や地震、火山の噴火といった気象事象や地理的な条件が似ている。防災などの面でも、日本の宇宙技術の学びはフィリピンでも応用できると考えられる。フィリピンに戻ったら人工衛星プロジェクトを主導し、宇宙技術利用に関する政策にも関わっていきたい。将来は東南アジアの国々が協力して宇宙開発を行うためのネットワーク構築に貢献していきたい」とコメントしている。
JICAは、「宇宙関連技術はJICAにとって地上の課題を解決する際の有用なツールである。森林・自然環境保全、防災、都市開発、農林水産振興をはじめ、多様な社会経済活動に従事するさまざまなバックグラウンドをもつ人材が、宇宙関連技術の活用も視野に入れ、取り組みを展開していくことが、SDGsの達成ほか、多様な課題解決には重要と考えている。宇宙関連技術の活用が容易にできるようJJ-NeSTを通じ、人材の育成と人的ネットワークの形成を推進して行きたい」と強調している。
なお、2016年4月27日、国際宇宙ステーションの「きぼう」日本実験棟から超小型衛星「DIWATA-1」が、筑波宇宙センターの「きぼう」運用管制チームからのコマンドにより放出された。50㎏級超小型衛星の「きぼう」からの放出はJAXAとして初めてのことであった。「DIWATA-1」は、フィリピン科学技術省(DOST)、フィリピン大学ディリマン校、東北大学、北海道大学が共同開発した50㎏級の超小型衛星であった。
フィリピン初の国産衛星である「DIWATA-1」は、フィリピン科学技術省から派遣された若手エンジニア達が中心となり、東北大学・北海道大学がその開発・製造を、JAXAは、打上げから軌道への放出にいたるまでの作業を担当した。このようなフィリピンの宇宙開発の歴史に刻まれる記念すべきミッションの成功に4者が連携・貢献し、日本とフィリピンの緊密な協力と宇宙の平和協力を実現した。
さらに、フィリピン初の小型立方体衛星(キューブサット)「MAYA–1」が、2018年6月29日に発射され、その後国際宇宙ステーションから放出された。この衛星は、九州工業大学に在学中の2名のフィリピン人大学院生によって開発されたなどの経緯がある。