比沿岸警備隊120周年、日本が多面的継続支援
高性能巡視船やレーダー等、共同訓練や人材育成も
2021/10/15
フィリピン沿岸警備隊(PCG)は、2021年10月15日、創立120周年を迎えた。新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックという状況下で、領海や国家海事資産保全、災害や非常事態対応へ奮闘している。
近年、PCGなどによるフィリピンの沿岸警備能力が進展している。PCGは、以前は、監視、パトロール、偵察、捜索救助に必要な資産が不足していたため、領海をカバーする能力が不十分であった。しかし、近年は日本などの支援などもあって、急速に能力が向上している。レーダー、無線通信整備、灯台・浮標等も整備されてきている。
日本は、フィリピンの沿岸警備能力や海洋安全対応能力強化を多面的かつ継続的に継続支援してきている。2013年12月に調印された「フィリピン沿岸警備隊海上安全対応能力強化計画(供与限度額:187億3,200万円)で、PCGに巡視船(全長44メートル)10隻供与を決定、2016年8月に引き渡しが開始され、2018年8月に10隻目の引き渡しが完了した。また、「経済社会開発計画」のもとで、13隻の15メートル級高速ゴムボートもPCGへ無償供与されている。また、2017年から2018年にかけては、海上自衛隊練習機「TC-90」5機のフィリピン海軍への引き渡し(移転)も行われた。さらに、航行安全の向上のため、沿岸無線通信整備、灯台・浮標等の修復・増設、航路標識施設船供与なども行ってきている。
また、三菱造船(本社:横浜市西区)は、2021年7月26日、「フィリピン運輸省より受注して建造中である大型の多目的対応船(大型巡視船)2隻のうち、1番船の進水式を三菱重工業下関造船所 江浦工場(山口県下関市)で行った」と発表した。この多目的対応船は今後、艤装工事、試運転などを経て、2022年3月初旬にマニラへ回航し、5月に命名・引き渡し、2番船については、2022年5月にマニラへ回航、9月に命名・引き渡し(進水式:2021年11月18日)の予定である。
この多目的対応船は、PCGに納入され、荒天時の救難活動や沖合・沿岸域での巡回業務において重要な役割を担う。長さ約96.6メートル、最大速力24ノット、4,000海里以上の航続距離能力を有するほか、排他的経済水域(EEZ)を監視する能力を持つ通信設備やヘリコプター用設備、遠隔操作型の無人潜水機、高速作業艇など、海洋状況の把握と海事法執行活動に必要な装置や機器を装備している。フィリピンのEEZや公海における海難事故や海上犯罪への迅速な対応能力の向上に寄与する。
また、2020年8月には、日・フィリピン防衛装備品・技術移転協定に基づくフィリピンの警戒・監視能力向上に係る協力として、フィリピン国防省と三菱電機との間で同社製警戒管制レーダー(4基)を納入する契約が成立した。この案件は、2016年9月に合意されたTC‐90等の移転に続き、日・フィリピン防衛装備品・技術移転協定に基づいて実施される移転案件であり、日本から海外への完成装備品の移転としては初の移転案件である。
技術協力プロジェクトでは、「海上保安人材育成プロジェクト」、「海上保安教育・人材育成管理システム開発プロジェクト」、「海上法執行実務能力強化プロジェクト」などを通じ、PCG職員の教育システムの構築や法執行・船舶運航に関する教育訓練プログラムの開発・強化に取り組んできている。また、日本国内においては、JICAと海上保安庁などの協力によるフィリピンを含む各国の海上保安機関向けに、海上犯罪対処能力、海難事故・油流出事故への対応能力向上などのための各種研修が継続的に実施されている。さらに、海上保安庁の巡視艇派遣による共同訓練も実施されている。
近年、PCGなどによるフィリピンの沿岸警備能力が進展している。PCGは、以前は、監視、パトロール、偵察、捜索救助に必要な資産が不足していたため、領海をカバーする能力が不十分であった。しかし、近年は日本などの支援などもあって、急速に能力が向上している。レーダー、無線通信整備、灯台・浮標等も整備されてきている。
日本は、フィリピンの沿岸警備能力や海洋安全対応能力強化を多面的かつ継続的に継続支援してきている。2013年12月に調印された「フィリピン沿岸警備隊海上安全対応能力強化計画(供与限度額:187億3,200万円)で、PCGに巡視船(全長44メートル)10隻供与を決定、2016年8月に引き渡しが開始され、2018年8月に10隻目の引き渡しが完了した。また、「経済社会開発計画」のもとで、13隻の15メートル級高速ゴムボートもPCGへ無償供与されている。また、2017年から2018年にかけては、海上自衛隊練習機「TC-90」5機のフィリピン海軍への引き渡し(移転)も行われた。さらに、航行安全の向上のため、沿岸無線通信整備、灯台・浮標等の修復・増設、航路標識施設船供与なども行ってきている。
また、三菱造船(本社:横浜市西区)は、2021年7月26日、「フィリピン運輸省より受注して建造中である大型の多目的対応船(大型巡視船)2隻のうち、1番船の進水式を三菱重工業下関造船所 江浦工場(山口県下関市)で行った」と発表した。この多目的対応船は今後、艤装工事、試運転などを経て、2022年3月初旬にマニラへ回航し、5月に命名・引き渡し、2番船については、2022年5月にマニラへ回航、9月に命名・引き渡し(進水式:2021年11月18日)の予定である。
この多目的対応船は、PCGに納入され、荒天時の救難活動や沖合・沿岸域での巡回業務において重要な役割を担う。長さ約96.6メートル、最大速力24ノット、4,000海里以上の航続距離能力を有するほか、排他的経済水域(EEZ)を監視する能力を持つ通信設備やヘリコプター用設備、遠隔操作型の無人潜水機、高速作業艇など、海洋状況の把握と海事法執行活動に必要な装置や機器を装備している。フィリピンのEEZや公海における海難事故や海上犯罪への迅速な対応能力の向上に寄与する。
また、2020年8月には、日・フィリピン防衛装備品・技術移転協定に基づくフィリピンの警戒・監視能力向上に係る協力として、フィリピン国防省と三菱電機との間で同社製警戒管制レーダー(4基)を納入する契約が成立した。この案件は、2016年9月に合意されたTC‐90等の移転に続き、日・フィリピン防衛装備品・技術移転協定に基づいて実施される移転案件であり、日本から海外への完成装備品の移転としては初の移転案件である。
技術協力プロジェクトでは、「海上保安人材育成プロジェクト」、「海上保安教育・人材育成管理システム開発プロジェクト」、「海上法執行実務能力強化プロジェクト」などを通じ、PCG職員の教育システムの構築や法執行・船舶運航に関する教育訓練プログラムの開発・強化に取り組んできている。また、日本国内においては、JICAと海上保安庁などの協力によるフィリピンを含む各国の海上保安機関向けに、海上犯罪対処能力、海難事故・油流出事故への対応能力向上などのための各種研修が継続的に実施されている。さらに、海上保安庁の巡視艇派遣による共同訓練も実施されている。