大分大学開発の狂犬病迅速診断キット、比全土に
JICAの比狂犬病撲滅支援プロジェクトの一環
2021/10/29
JICAは、比の狂犬病撲滅の取組みを多面的に継続支援している。
現在は、「フィリピンにおける狂犬病排除に向けたワンヘルス・アプローチ予防・治療ネットワークモデル構築プロジェクト」(2018年8月20日~2023年8月)を推進中である。フィリピン側は、フィリピン熱帯医学研究所、フィリピン国立サンラザロ病院が参画。
フィリピンでは狂犬病による死亡例が年間200~300人報告されており、公衆衛生上重大な問題とされている。狂犬病は、これに感染したイヌなどの動物からの「かみつき・引掻き」により感染し、発症すれば重篤な神経症状をわずらい、ほぼ死亡するウイルス性人獣共通感染症である。
フィリピンでは、保健省と農業省が協力して狂犬病撲滅に向けた取組みを行っているが、診断施設が限られており、また加害動物の狂犬病ウイルス感染状況の情報入手や医療機関との連絡体制は十分に機能していない。上記プロジェクトでは、狂犬病に関する日本の知見を活用、検証し、新規診断法の開発と動物とヒトの診断情報を共有し、効率的な予防対策活動につなげるワンヘルス・ネットワークモデルの構築を支援する。
この一環として、このほど、大分大学開発の狂犬病診断キットの普及と実装研究がフィリピン全土でスタートした。このプロジェクトは、大分大学医学部微生物学講座(西園教室)と大分県の民間企業アドテック社が共同開発した狂犬病迅速診断キットを狂犬病蔓延国で狂犬病対策に活用することを目的としている。このキットは、フィリピンの狂犬病蔓延地域において、高い診断精度で狂犬病動物を診断できることを確認し、昨年2020年11月に国際誌で発表している。
この成果を踏まえ、今後2年間プロジェクトを通じて検査キットをフィリピン農業省畜産局に提供し、同省傘下の全国15カ所の全ての動物疾病診断検査ラボで同キットの実装研究を実施することが合意された。
そのキックオフとして、マニラ首都圏ケソン市の農業省本部で会議が開催され、農業省からは畜産局長や狂犬病診断検査ラボ長、さらに当プロジェクトの長期研修プログラムで長崎大学の修士号を取得した狂犬病対策担当官ら総勢8名、JICAからフィリピン事務所長や担当職員、専門家の5名が出席した。
この他、これまでプロジェクトを通じて供与された蛍光顕微鏡、超低温冷凍庫、ネットワーク機材等が活用されている畜産局管轄の狂犬病診断ラボやデータセンターを視察した。今後も、フィリピン政府の2030年までに狂犬病を制圧する取り組みに寄与するための活動に取り組んでいく。
現在は、「フィリピンにおける狂犬病排除に向けたワンヘルス・アプローチ予防・治療ネットワークモデル構築プロジェクト」(2018年8月20日~2023年8月)を推進中である。フィリピン側は、フィリピン熱帯医学研究所、フィリピン国立サンラザロ病院が参画。
フィリピンでは狂犬病による死亡例が年間200~300人報告されており、公衆衛生上重大な問題とされている。狂犬病は、これに感染したイヌなどの動物からの「かみつき・引掻き」により感染し、発症すれば重篤な神経症状をわずらい、ほぼ死亡するウイルス性人獣共通感染症である。
フィリピンでは、保健省と農業省が協力して狂犬病撲滅に向けた取組みを行っているが、診断施設が限られており、また加害動物の狂犬病ウイルス感染状況の情報入手や医療機関との連絡体制は十分に機能していない。上記プロジェクトでは、狂犬病に関する日本の知見を活用、検証し、新規診断法の開発と動物とヒトの診断情報を共有し、効率的な予防対策活動につなげるワンヘルス・ネットワークモデルの構築を支援する。
この一環として、このほど、大分大学開発の狂犬病診断キットの普及と実装研究がフィリピン全土でスタートした。このプロジェクトは、大分大学医学部微生物学講座(西園教室)と大分県の民間企業アドテック社が共同開発した狂犬病迅速診断キットを狂犬病蔓延国で狂犬病対策に活用することを目的としている。このキットは、フィリピンの狂犬病蔓延地域において、高い診断精度で狂犬病動物を診断できることを確認し、昨年2020年11月に国際誌で発表している。
この成果を踏まえ、今後2年間プロジェクトを通じて検査キットをフィリピン農業省畜産局に提供し、同省傘下の全国15カ所の全ての動物疾病診断検査ラボで同キットの実装研究を実施することが合意された。
そのキックオフとして、マニラ首都圏ケソン市の農業省本部で会議が開催され、農業省からは畜産局長や狂犬病診断検査ラボ長、さらに当プロジェクトの長期研修プログラムで長崎大学の修士号を取得した狂犬病対策担当官ら総勢8名、JICAからフィリピン事務所長や担当職員、専門家の5名が出席した。
この他、これまでプロジェクトを通じて供与された蛍光顕微鏡、超低温冷凍庫、ネットワーク機材等が活用されている畜産局管轄の狂犬病診断ラボやデータセンターを視察した。今後も、フィリピン政府の2030年までに狂犬病を制圧する取り組みに寄与するための活動に取り組んでいく。