マニラ首都圏、コロナ警戒レベル2へと緩和

5日~21日、当初のレベル3継続方針変更

2021/11/05

 フィリピン政府は、11月4日夜、新型コロナウイルス(COVID-19)対策としてマニラ首都圏などで試験的に導入している警戒レベル・システム(5段階制、5が最厳格)に関して、マニラ首都圏を警戒レベル2へと引き下げると発表した。

 マニラ首都圏の警戒レベル2適用期間はとりあえず11月5日~21日まで。10月31日の発表では、マニラ首都圏は11月1日~14日までは現行の警戒レベル3が継続とされていたが、COVID-19新規感染者数の減少傾向やワクチン施主進展などを受けて、急遽警戒レベル2への引き下げを決定したようである。

<警戒レベル・システム基準>
 COVID-19の疾患のリスクを管理し、最小化することを目的として、都市全体及び地方自治政府でCOVID-19に対処するための新たなコミュニティー隔離措置となる。また、新しい科学的知識、国内外での管理措置の有効性に関する情報・適用に基づき、更新される可能性がある。

ア 警戒レベル1:症例の伝播が低く、減少している、総病床使用率、および集中治療室の使用率が低い区域。
イ 警戒レベル2:症例の伝播が低く、減少している、医療利用率が低い、または症例数が少ないが増加している、さらに症例数が少なく減少しているが総病床使用率と集中治療室使用率が増加している区域。
ウ 警戒レベル3:症例数が多く、および/または増加しており、総病床使用率と集中治療室使用率が増加している区域。
エ 警戒レベル4:症例数が多く、および/または増加しており、総病床使用率および集中治療室使用率が高い区域。
オ 警戒レベル5:症例数が警戒すべき領域に達しており、総病床使用率と集中治療室使用率が危機的なレベルとなっている区域。

 フィリピン政府通信社によると、警戒レベル2では、ワクチン接種完了者(子供は接種規定なし)に対して、屋内で収容能力の50%まで、屋外では同70%までという条件で、以下のような活動、営業が許可されるとのことである。

・屋内の訪問者、観光名所、図書館、史料館、美術館、ギャラリー、文化的なショーや展示。
・会議、インセンティブ活動、コンベンション、展示会(MICE)イベントの運営のための屋内会場。
・映画館などの屋内娯楽施設、カラオケバー、バー、クラブ、コンサートホール、劇場などのライブパフォーマーがいる会場。
・屋外および屋内の遊園地またはテーマパーク、遊園地/ペリヤ、遊び場、プレイルーム、子供向け遊園地。
・インターネットカフェ、ビリヤードホール、アミューズメント・アーケード、ボーリング場などの屋内レクリエーション施設。
・大統領行政府の事前承認を条件として、基礎教育のための限定された対面または対面のクラス。
・高等教育および技術職業教育および訓練のための限定された対面または対面のクラス。
・直接の宗教集会、葬儀のための集会。
・免許または入学/資格試験および認定された専門試験。
・結婚披露宴、誕生日パーティー、親睦会、ブライダルシャワー、ベビーシャワーなどの社交イベント。
・理髪店、スパ、サロンなどのパーソナルケア施設、およびホームサービスオプションを含むその他の同様のサービス。
・個々の非接触運動やスポーツのためのフィットネススタジオ、ジム、会場、プール。
-LGUによって承認されたコンタクトスポーツ。
・映画、音楽、テレビの制作。
・食品調理施設の外食サービス。

 なお、新興感染症管理のための省庁間タスクフォース(IATF)は、11月4日、「警戒レベルの決定は、12月1日以降はその月の15日と30日ごとに決定する。ただし、警戒レベル引き上げ(厳格化)は必要に応じて対象期間の途中でいつでも実施できる」と決定した。