キリン出資のサンミゲルビール、9カ月間で27%増益

純利益140億ペソ、売上高13%増の821億ペソ

2021/11/12

 サンミゲルグループの食品と飲料事業を大統合して発足したサンミゲルフード&ビバレッジ(証券コード:FB)は、11月11日、2021年9カ月間(1月~9月)の決算速報を開示した。
 
 FB全体の売上高は前年同期比(以下同様)14%増の2,217億ペソ、営業利益は60%増の328億ペソ、純利益は68%増の242億ペソに達した。純利益は、新型コロナウイルスパンデミック前の2019年9カ月間の229億ペソを上回った。
 
 ビール製造子会社のサンミゲル ブリュワリー(SMB、サンミゲルビール)の売上高は13%増の821億ペソと二桁増収であった。増収とコスト節減との相乗効果により、営業利益は23%増の182億ペソ、純利益は27%増の140億ペソへと二桁増加した。新型コロナウイルス感染再拡大、飲食店での定員規制、一時的な店内飲食禁止など依然収益抑制要因も多かったが、低調であった前年同期からは急回復している。サンミゲルビールには、キリン ホールディングス(キリン)が約48%出資している。
 
 洋酒事業を展開するヒネブラ サンミゲル(証券コード:GSMI)の販売数量は二桁増加、売上高は21%増の307億ペソ、営業利益は31%増の41億ペソ、純利益は43%増の32億ペソと二桁増収増益決算となった。巣篭り需要で2020年も大幅増益であったが、2021年も大幅続伸基調となっている。

 一方、食品部門のサンミゲル フーズ(SMF)の売上高は13%増の1,089億ペソ、営業利益は約4倍の106億ペソへと急回復した。新型コロナウイルス感染再拡大やデルタ変異株出現などの影響を受けなかったわけではないが、家庭での調理に使われる製品群の売上増加、鶏肉事業の回復などが寄与した。