セブン銀行、比セブンでのATM設置1,000店突破

比初の紙幣還流型、年末1,200店へ、来店者増へ寄与

2021/12/03

  セブン銀行(本社:東京都千代田区)のフィリピン子会社Pito AxM Platform社(PAPI、本社:マカティ市)による、フィリピン最大手のコンビニエンスストアチェーンであるセブン-イレブンの店舗(9月末:3,019店)へのATM設置が進展、この程、設置店が1,000店に到達した。2021年末に1,200店に達する可能性がある。年内は、マニラ首都圏(9月末:1,003店)やルソン地域(1,289店)の店舗への設置となるが、それ以降は、ビサヤ地域(433店)、ミンダナオ地域(294店への設置も視野に入れている。

 フィリピンでは、経済成長に伴い金融取引が増加し、国策による銀行口座の保有率も上昇するなか、ATM利用ニーズも高まりつつある。セブン銀行は2019年4月にフィリピンでのATM運営事業を推進するため子会社PAPI(資本金8,500万ペソ)を設立した。PAPIは、2020年2月、フィリピンでのセブン‐イレブン運営企業であるフィリピン セブン社(本社:マニラ首都圏マンダルヨン市、証券コード:SEVN)との間で、フィリピン国内のセブン‐イレブン店舗でのATM設置・運営・保守事業等の展開を目的とした業務提携契約を締結した。フィリピン国内では初の紙幣還流型ATMを設置することで、利便性の高いサービス提供を目指している。

 PAPIはこの契約に沿って、マニラ首都圏中心からフィリピン国内のセブン-イレブン店舗へのATM設置を順次進めつつある。2021年2月末時点での設置店舗数は11台に過ぎなかったが、8月に500店を突破、そして、このほど1,000店の大台を突破した。なお、ATM運営事業開始に伴い、フィリピン最大手銀行BDOユニバンク(本社:マカティ市)とATM提携を開始しており、順次提携銀行を拡大していく予定である。

 フィリピン セブンのホセ・ビクター・パレンティノ社長兼最高経営責任者(CEO)は、「より多くの店舗にATMを設置することは、コンビニエンスプラス戦略の重要な柱の1つである。ATM設置による利便性向上で、来店客数10~15%の増加につながると期待される。各店舗は、電子マネー/オンライン決済機能を有しているが、現金決済や現金引き出し需要も大きい」とコメントしている。
 
 当地のセブン-イレブンは、台湾系のプレジデント・チェーンストア(ラブアン)ホールディングスが54.878%(2021年9月末現在)を所有するフィリピン セブンによって運営されている。PSCは1982年11月に設立され、1998年2月にフィリピン証券取引所(PSE)に上場した。1984年2月にケソン市エドサ通り沿いに1号店オープン、その後、店舗網拡充に注力、2010年に500店、2013年に1,000店、2017年1月に2,000店を突破、そして、2021年9月末3,019店で業界断トツとなっている。自営店が50%、フランチャイズ店が50%。9月末時点で、総店舗数3019店のうち、70%が24時間営業、25%が昼間営業、5%が臨時休業状態である。


 主な日本ブランドのコンビニ店舗数(年末・月末値、比セブン-イレブンやファミリーマートは資本的には非日系)
年・月 14年 15年 16年 17年 18年 19年 20年 2021年
3月 6月 9月
セブン-イレブン 1,282 1,602 1,995 2,285 2,550 2,864 2,978 2,981 3,004 3,019
ミニストップ 454 519 499 496 499 506 472 464 463 458
ファミリーマート 87 120 99 66 69 76 N.A. N.A. N.A N.A
ローソン 0 16 29 31 38 60 65 67 67 67
(出所:セブン-イレブンとミニストップは発表数値、ファミリーマートはウェブでの表示数、ローソンはウェブ等から推計)