比トヨタ、自動車業界初の品質賞(PQA)を受賞
史上2社目の最高品質(レベル4)認証、環境対策進展
2021/12/05
トヨタ自動車のフィリピン拠点であるトヨタモーター フィリピン(TMP)は、12月3日、「2019~2020年フィリピン品質賞(PQA)授与式において、フィリピン政府から、自動車業界初のフィリピン品質賞(PQA)を授与された」と発表した。
更にTMPは、総合品質管理(TQM)における模範的な組織のパフォーマンスに対する国家認証の最高レベルである「PQAレベル4」認証を獲得した。「レベル4」認証でのPQA受賞は、PQAの22年の歴史の中で2社目の偉業である。これらの賞は、ドゥテルテ大統領、貿易産業省のラモン・ロペス大臣、同省競争局のリリアン・サロンガDTI競争力局長によって、TMPの岡本淳宏社長に授与された。PQAは、フィリピン品質賞法(共和国法第9013号)の成立によって2001年に制度化された。フィリピンが世界クラスのパフォーマンスを達成するのに寄与する卓越性の基準を設定し、TQMの原則に基づく競争力のテンプレートとして機能する。
TMPは、1988年8月に設立、現在の出資比率はトヨタ自動車34%、三井物産15%、GTキャピタル(証券コード:GTCAP)51%。現在、「ヴィオス」や「イノーバ」を現地生産している。新車販売シェアは断トツ(2021年9カ月間で46.1%)であり、2020年まで19年連続でフィリピン自動車市場の三冠王(総販売台数、商用車販売台数、乗用車販売台数いずれもトップ)となっている。個別モデル販売ランキングにおいても、常に上位を独占している。2021年9カ月間の売上高は前年同期比49%増の943億ペソ、帰属純利益は112%増(約2.1倍)の44億ペソであった。
TMPは、「トヨタ環境チャレンジ2050(TEC2050)」のもとで環境を経営の最重要課題のひとつと位置付け、CO2排出ゼロにとどまらず環境へのプラスを目指すトヨタグループの一員として、クルマの製造時におけるCO2排出量ゼロを目指す「工場CO2ゼロチャレンジ」など環境マネジメントも強化している。
TMP製造工場は環境保全を最優先にデザインされており、太陽光発電システムの導入なども積極的に進められている。TMPサステナビリティレポートによると、下表のとおり、エネルギーや水の消費量が減少傾向を辿っている。2020年は新型コロナウイルス感染拡大やその対策としての地域隔離措置にともなう生産台数減少もあって、電力消費量が前年比(以下同様)31%減少、軽油消費量は37%減少、LPG消費量は34%減少、水使用量は32%減少した。
生産台数の大幅減少で、2020年の生産一台当たりのエネルギーや水の消費量は小幅増加、生産1台当たりのCO2排出量も3%増の0.29トンへと小幅増加したが、生産台数の大幅減少という一時的要因であり、趨勢としては減少傾向を辿ってきている。また、揮発性有機化合物(VOC)の排出量も減少傾向を続けている。水リサイクルや雨水収集・有効利用にも注力。TMPの廃水処理プラントは、高性能膜分離活性汚泥法技術を使用して、1時間あたり55立方メートルの廃水を処理できる。生産過程でのグリーンテクノロジー活用に加え、社員食堂では使い捨てプラスチック類一切不使用など、廃棄物の最小化とリサイクルが、工場とオフィスの双方で実行されている。
更に、ハイブリッド車(HV)の啓蒙・普及やそれによる環境保全啓蒙活動も加速化している。2009年央にはフィリピン初となるHV「プリウス」、2012年には「プリウスC(日本名:アクア)」、2019年にはカローラ・アルティスHV車を発売した。そして、電気代が高く充電ステーションの整備が進んでいないフィリピンでは、エコカー普及においては、HVが現実的な選択肢と考えられるなどと訴えている。
また、2020年には、環境天然資源省(DENR)およびバタンガス州リアン町との間で、10ヘクタールのマングローブ植林地の清掃、修復、保全、植林に関する覚書(MOA)に署名した。それによると、TMPは、リアン町の海岸線に沿って2023年までに2万5,000のマングローブを植林、保全する。そして、地域の海洋生物と生物多様性保護を推進する。このMOAに沿って、今年11月、植林やごみ回収などが実施された。
トヨタモーター フィリピンのエネルギーなどの月間平均消費量推移
(出所:TMPサステナビリティレポートなどより作成)
トヨタモーター フィリピンの生産1台当たりのエネルギー等消費量・CO2排気量推移
(出所:TMPサステナビリティレポートなどより作成)
更にTMPは、総合品質管理(TQM)における模範的な組織のパフォーマンスに対する国家認証の最高レベルである「PQAレベル4」認証を獲得した。「レベル4」認証でのPQA受賞は、PQAの22年の歴史の中で2社目の偉業である。これらの賞は、ドゥテルテ大統領、貿易産業省のラモン・ロペス大臣、同省競争局のリリアン・サロンガDTI競争力局長によって、TMPの岡本淳宏社長に授与された。PQAは、フィリピン品質賞法(共和国法第9013号)の成立によって2001年に制度化された。フィリピンが世界クラスのパフォーマンスを達成するのに寄与する卓越性の基準を設定し、TQMの原則に基づく競争力のテンプレートとして機能する。
TMPは、1988年8月に設立、現在の出資比率はトヨタ自動車34%、三井物産15%、GTキャピタル(証券コード:GTCAP)51%。現在、「ヴィオス」や「イノーバ」を現地生産している。新車販売シェアは断トツ(2021年9カ月間で46.1%)であり、2020年まで19年連続でフィリピン自動車市場の三冠王(総販売台数、商用車販売台数、乗用車販売台数いずれもトップ)となっている。個別モデル販売ランキングにおいても、常に上位を独占している。2021年9カ月間の売上高は前年同期比49%増の943億ペソ、帰属純利益は112%増(約2.1倍)の44億ペソであった。
TMPは、「トヨタ環境チャレンジ2050(TEC2050)」のもとで環境を経営の最重要課題のひとつと位置付け、CO2排出ゼロにとどまらず環境へのプラスを目指すトヨタグループの一員として、クルマの製造時におけるCO2排出量ゼロを目指す「工場CO2ゼロチャレンジ」など環境マネジメントも強化している。
TMP製造工場は環境保全を最優先にデザインされており、太陽光発電システムの導入なども積極的に進められている。TMPサステナビリティレポートによると、下表のとおり、エネルギーや水の消費量が減少傾向を辿っている。2020年は新型コロナウイルス感染拡大やその対策としての地域隔離措置にともなう生産台数減少もあって、電力消費量が前年比(以下同様)31%減少、軽油消費量は37%減少、LPG消費量は34%減少、水使用量は32%減少した。
生産台数の大幅減少で、2020年の生産一台当たりのエネルギーや水の消費量は小幅増加、生産1台当たりのCO2排出量も3%増の0.29トンへと小幅増加したが、生産台数の大幅減少という一時的要因であり、趨勢としては減少傾向を辿ってきている。また、揮発性有機化合物(VOC)の排出量も減少傾向を続けている。水リサイクルや雨水収集・有効利用にも注力。TMPの廃水処理プラントは、高性能膜分離活性汚泥法技術を使用して、1時間あたり55立方メートルの廃水を処理できる。生産過程でのグリーンテクノロジー活用に加え、社員食堂では使い捨てプラスチック類一切不使用など、廃棄物の最小化とリサイクルが、工場とオフィスの双方で実行されている。
更に、ハイブリッド車(HV)の啓蒙・普及やそれによる環境保全啓蒙活動も加速化している。2009年央にはフィリピン初となるHV「プリウス」、2012年には「プリウスC(日本名:アクア)」、2019年にはカローラ・アルティスHV車を発売した。そして、電気代が高く充電ステーションの整備が進んでいないフィリピンでは、エコカー普及においては、HVが現実的な選択肢と考えられるなどと訴えている。
また、2020年には、環境天然資源省(DENR)およびバタンガス州リアン町との間で、10ヘクタールのマングローブ植林地の清掃、修復、保全、植林に関する覚書(MOA)に署名した。それによると、TMPは、リアン町の海岸線に沿って2023年までに2万5,000のマングローブを植林、保全する。そして、地域の海洋生物と生物多様性保護を推進する。このMOAに沿って、今年11月、植林やごみ回収などが実施された。
トヨタモーター フィリピンのエネルギーなどの月間平均消費量推移
項目 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 19年伸び率 | 20年伸び率 |
電力消費量(MWh) | 1,941.3 | 1,911.2 | 2,002.1 | 1,781.7 | 1,927.9 | 1,325.3 | 8% | -31% |
LPG消費量(kg) | 47,856 | 54,205 | 58,166 | 54,841 | 58,626 | 38,800 | 7% | -34% |
軽油消費量(ℓ) | 22,620 | 20,511 | 27,030 | 23,289 | 20,192 | 12,692 | -13% | -37% |
水消費量(㎥) | 17,893 | 16,533 | 17,017 | 15,575 | 15,857 | 10,743 | 2% | -32% |
トヨタモーター フィリピンの生産1台当たりのエネルギー等消費量・CO2排気量推移
項目 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 19年伸び率 | 20年伸び率 |
電力消費量(kWh) | 477.75 | 416.77 | 387.80 | 463.70 | 428.21 | 451.51 | -8% | 5% |
LPG消費量(kg) | 11.79 | 11.82 | 11.27 | 14.27 | 13.02 | 13.22 | -9% | 2% |
軽油消費量(ℓ) | 5.51 | 4.84 | 5.24 | 6.06 | 4.48 | 4.32 | -26% | -4% |
水消費量(㎥) | 4.38 | 3.61 | 3.30 | 4.05 | 3.52 | 3.66 | -13% | 4% |
CO2排出量(t) | 0.30 | 0.27 | 0.25 | 0.30 | 0.28 | 0.29 | -8% | 3% |
VOC排出量(g/㎡) | 50.55 | 45.91 | 43.99 | 47.86 | 48.06 | 47.93 | 0.4% | -0.3% |