比イオンファンタジー、約20カ月ぶりに営業再開

コロナ禍での事業禁止令解除、11月末29店営業

2021/12/17

 株式会社イオンファンタジーのフィリピン子会社「イオンファンタジー フィリピン」(比イオンファンタジー)の営業が約1年8カ月ぶりに再開された。

 新型コロナウイルス感染拡大対策としてのフィリピン政府による子供向けアミューズメント産業(プレイルームなど)の全面的営業禁止措置により、2020年3月17日より全店営業休止となっていたが、コロナ警戒レベル2への緩和(マニラ首都圏では2021年11月5日から)により、2021年11月10日より徐々に休止が解除され、11月末時点で48店舗中29店舗が営業している。

 2021年11月の既存店売上高の伸び率は、前年同月の売上がゼロであったため比較は出来ないが、2年前の2019年11月との比較では68.8%減少となっている。11月途中からの一部店舗の段階的営業再開であり、平常時の売上高に遠く及ばないが、2020年4月から2021年10月まで19カ月続いた売上ゼロという状況が解消した。

 株式会社イオンファンタジーは海外でも、フィリピン、中国、マレーシア、タイ、インドネシア、ベトナムにおいて、ファミリー向けアミューズメント施設およびインドアプレイグラウンドの直営展開を進めるとともに、香港、カンボジアにおいて、ライセンス契約およびフランチャイズの店舗を展開している。
 
 フィリピンにおいては、2014年5月に子会社「イオンファンタジー フィリピン」(比イオンファンタジー)が設立された。同年11月に、イオンファンタジーキッズーナ・フィリピン1号店がマニラ首都圏ケソン市のショッピングモール「ロビンソンズ・ガレリア」内にグランドオープンした。その後、マニラ首都圏を中心としたドミナント化を推進するとともに、セブ、ダバオなど首都圏以外にも出店した。2021年8月末の店舗数は48店で、ASEAN諸国の中では、マレーシアの95店に続く第2位の店舗数となっている。

 最近は、2019年が麻疹(はしか)の流行、2020年が世界的な新型コロナウイルス感染拡大など強い逆風に見舞われている。2020年3月以降は、コロナウイルス感染拡大対策としての地域隔離措置の下で、長期的に全店休業を強いられてきた。しかし、フィリピンは年間人口増加率が約2%、9歳以下の人口が2割(2千万人)以上と高く、子供向けアミューズメント施設需要の拡大が期待できる市場である。新型コロナ禍が収まれば、再び高成長入りすることが期待される。