2021年の訪日フィリピン人、95%減の5,500人

コロナ直前の19年(61万3千人)から99%減少

2022/01/19

 日本政府観光局(JNTO)は1月19日、2021年12月の訪日外客数推計値を発表した。それによると、12月の訪日外客数は1万2,100人とCOVID-19の影響前の2019年同月に比べて99.5%減となり、2021年計では2019年比99.2%減の24万5,900人となった。これは、COVID-19感染拡大防止策の一環として、国境をまたぐ往来が制限され、日本においても観光目的の入国が引き続き認められていないことによるもので、2021年計は2020年をも下回り、日本政府観光局による訪日外客数公表開始(1964年)以来最低の数値となった。

 2020年1月下旬以降のCOVID-19拡大により、多くの国で海外渡航制限等の措置が取られ、日本においても検疫強化、査証の無効化等の措置が取られる中で、COVID-19の感染状況の変化により日本及び各国の措置は緩和・強化が繰り返されてきた。2021年に入り、ワクチン接種の普及を受けて入国制限や入国後の行動制限を緩和する国も増加していたが、11月には伝染力の強い新たな変異株オミクロンの発生で、複数の国・地域で入国制限及び入国後の行動規制を再び強化する動きが活発化した。

 12月に訪日外客数の1,000人を超えた市場は、中国(1,800人)、インド(1,200人)、韓国(1,100人)、米国(1,000人)の4カ国。

 フィリピンからは200人(対2019年同月比99.8%減)であった。COVID-19の拡大により、日本政府による上陸拒否、検疫強化(検査・10日間待機等)、査証の効力停止等の対象となっている。なお、水際対策上特に対応すべき変異株に対する指定国・地域として、当分の間、検疫所が確保する宿泊施設での待機、入国後3日目の再検査等の対象となっている。日本への直行便は、2022年1月も引き続き大幅な運休・減便となっている。

 2021年通年の訪日外客数は24万5,900人で、上位5市場は、中国(4万2,300人)、ベトナム(2万6,500人)、米国(2万人)、韓国(1万9,000人)、インド(8,800人)。

 2021年通年のフィリピン人訪問者数は計5,500人で、ASEAN加盟国ではベトナムに次ぐ2位であった。しかし、2020年の10万9,100人からは95%減少、COVID-19パンデミック影響直前2019年の61万3,114人からは99.1%の激減であった。