セブ常石重工業、台風22号被害状況第2報

電力・水道回復、通信不安定、建造への影響確認中

2022/01/21

 常石造船(本社:広島県福山市)は、1月20日、フィリピン子会社ツネイシヘビーインダストリーズ(セブ){セブ常石重工業、所在地:セブ島バランバン、以下:THIと記す}の台風22号(フィリピン名:オデット)被害状況第2報を発表した。その概要は以下のとおり。

1.人的被害
 船主、舶用機器メーカー各社など取引先からTHIへ派遣されている駐在員々、ならびにTHI従業員、常石造船グループからの赴任者の無事を確認している。

2.設備被害状況
 地域のインフラは、通信状況は不安定ではあるが、電力、水道は回復している。台風の被害を受けた工場設備は点検し、修繕を進めている。

3.建造への影響
 現時点において、今回の台風被害による建造計画への影響については確認中であり、今後開示すべき事象が確認された場合には、関係者に速やかに開示する。

 なお、THIは引き続き現地と協力して復興に向けた支援にも取り組んでいる。地元住民への生活物資等の提供による支援を開始した。

 THIは、1994年設立、1997年に建造1隻目のばら積み貨物船「SEA AMELITA」を竣工。その後2009年に100隻目を、2015年に200隻目の竣工を達成した。ばら積み貨物船を中心に、コンテナ運搬船や自動車運搬船、タグボートなどの建造で着実に建造実績を積み重ね、2021年4月、日系の海外造船所としては異例の竣工300隻を達成した。

 THIは、常石グループとフィリピンのアボイティス・グループとの合弁会社である。1994年9月、当時、工業やインフラの基盤が未整備だったセブ島バランバンの地において、土地の開拓から造船工場の構築を始め、26年超を経た現在では、3万トン級~18万トン級のばら積み貨物船を中心に年間約20隻を建造するフィリピンでも最大級の造船工場へと成長した。社員数は協力会社を含め1万人を超え、外航船の新造船建造事業、フィリピン内航船の修繕事業を行っている。