ミニストップ、フィリピンや韓国から撤退

海外事業縮小、ベトナムと日本に集中

2022/01/22

 ミニストップ株式会社(本社:千葉県千葉市)は、1月21日、「連結子会社である韓国ミニストップ株式会社(韓国ミニストップ)と、持分法適用関連会社であるフィリピンのロビンソンズ コンビニエンス ストアーズ社(RCSI)の全保有株式を売却することを決定した」と発表した。

 日本およびベトナムに経営資源を集中し、経営基盤の強化を図るとともに次の成長に向けた準備を進めるとのことである。各国の動向については以下のとおり。

1.フィリピン 
 現在、フィリピンのミニストップ事業は、ゴコンウェイ財閥の有力小売企業であるロビンソンズ リテイル ホールディングス(証券コード:RRHI)傘下のロビンソンズ スーパーマーケット社(RSC)とミニストップ株式会社との合弁会社であるロビンソンズ コンビニエンス ストアーズ社(RCSI)によって展開されている。ミニストップ株式会社の保有比率は約40%である。

 2000年にRCSI(当時は三菱商事も参画)とミニストップ本社との間でカントリー・フランチャイズ契約が正式締結され、2000年12月にミニストップのフィリピン1号店がオープンした。フィリピンのミニストップは、日本ブランドのコンビニエンスストアとしては2位の座を維持、ピーク時には約520店に達したが、首位のセブン-イレブンが強大であること、最近は新型コロナウイルス禍の影響もあって、下表のように減少傾向を辿り、2021年12月末現在で456店となっている。このほど、ミニストップ株式会社が保有するRCSI社株式全てを合弁相手のロビンソンズ スーパーマーケット社(RSC)に売却することとなった。

 比での主な日本ブランドのコンビニ店舗数(年末・月末値、比セブン-イレブンやファミリーマートは資本的には非日系)
年・月 14年 15年 16年 17年 18年 19年 20年 2021年
3月  6月 9月
セブン-イレブン 1,282 1,602 1,995 2,285 2,550 2,864 2,978 2,981 3,004 3,019
ミニストップ 454 519 499 496 499 506 472 464 463 458
ファミリーマート 87 120 99 66 69 76 N.A. N.A. N.A N.A
ローソン 0 16 29 31 38 60 65 67 67 67
(出所:セブン-イレブンとミニストップは発表数値、ファミリーマートはウェブでの表示数、ローソンはウェブ等から推計)

2.韓国
 1990年に韓国へ初進出後、コンビニエンスストア事業を展開していたが、この度、将来の見通しを総合的に
判断し、ミニストップ株式会社グループ経営の最適化、経営資源の集中と効率化の観点から、韓国ミニストップの持続的成長を支援できる第三者への譲渡が最善であると判断した。今般、LOTTE社との間で、譲渡の条件等について合意に至ったことから、韓国ミニストップの全株式を売却することとした。なお、2021年12月時点の店舗数は2,597店である。

3.中国
2021年9月に解散および清算を決定した中国の青島ミニストップ有限公司については、同年10月15日をもって山東省青島市における全店舗の営業を終了した。なお、中国遼寧省において大連三寰商業管理有限公司と間で締結しているエリアフランチャイズ契約は継続する。

4.ベトナム
 MINISTOP VIETNAM COMPANY LIMITEDが展開するベトナムでの事業については、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、政府による強い規制が行われ、一時的に来店客数は減少したが、現在は買上点数が増加するなど、好調に推移している。今後は日本のコンビニエンスストアの形態に捉われず、コロナ下で変化したベトナムの消費者のニーズに即した品揃えを実現するため、中食需要の更なる強化とともに内食需要への対応を行う。事業パートナーである双日及びイオングループからのサポートを受け、商品供給体制、売場展開や店舗オペレーションを改善し、店舗フォーマットの確立に取り組んでいく。2021年12月末時点の店舗数は120店。