11月の卸売物価4.2%上昇、9年間で最大の伸び率

2012年基準、ルソン4.3%、ビサヤ1.4%、ミンダナオ5.0%

2022/01/27

 フィリピン統計庁(PSA)の速報データによると、2021年11月の全国総合卸売物価指数(GWPI、2012年=100)は前年同月比(以下同様)4.2%上昇となり、現行基準で記録の残る2013年1月から約9年間で最も高い上昇率となった。年初11カ月の平均上昇率は3.0%。

 主要8品目中、食品(前年同月比上昇率2.7%)、飲料・タバコ(同4.8%)、鉱物燃料・潤滑油類(同34.2%)、機械・輸送機器(同1.4%)の4品目は上昇が加速し、燃料を除く非食用原料(同17.3%)、動植物油脂を含む化学品(同3.8%)は減速した。

 地域別上昇率については、ルソンが4.3%で前月からは0.2%ポイント上昇。ビサヤ地方は1.4%で、前月から0.6%ポイント上昇した。ミンダナオ地方は5.0%で、前月から0.2%ポイント上昇した。2021年11カ月間(1-11月)の平均上昇率はルソンが3.1%、ビサヤは0.3%、ミンダナオが4.5%であった。
 
 11月の全国消費者物価指数(CPI)上昇率は4.2%(2012年=100)で、卸売物価指数上昇率と同水準になった。なお、当地の総合卸売物価指数発表は、消費者物価指数(CPI)発表(翌月の5日前後)に比べて遅い。

 フィリピンGWPI前年同月比上昇率の推移(2012年基準、単位%)
時期 全国 ルソン ビサヤ ミンダナオ
2019年平均 1.6 1.6 2.2 1.9
2020年平均 2.5 2.5 0.9 1.6
2020年11月 2.3 2.7 -0.9 1.9
12月 2.4 2.9 -0.8 1.0
2021年 1月 2.1 2.3 -1.2 2.8
2月 2.5 2.8 -1.2 4.5
3月 2.8 2.9 -0.6 4.5
4月 2.7 2.8 0.7 4.6
5月 2.8 3.0 0.8 4.2
6月 2.2 2.1 0.4 4.8
7月 2.9 3.0 0.6 4.4
8月 3.2 3.2 1.1 5.2
9月 3.3 3.4 0.4 4.9
10月 3.9 4.1 0.8 4.8
11月 4.2 4.3 1.4 5.0
2021年1-11月 3.0 3.1 0.3 4.5
(出所:PSA資料より作成、2021年11月の全国、ルソンは速報値)