比銀行業界不良債権比率、21年末3.99%に

11カ月ぶり3%台へ低下、前月末4.35%から急改低下

2022/02/10

 フィリピン中央銀行(BSP)のデータによると、2021年12月末のフィリピン銀行業界の総融資残高(11兆3,891億ペソ)に占める総不良債権(元利回収遅延債権)比率(NPL比率)は3.99%で、2021年1月末以来11カ月ぶりの3%台となった。しかし、前年同月末からは0.36%ポイント悪化した。不良債権(NPL)貸倒引当率は87.37%と前月末から上昇したが、前年同月末からは低下した。

 総資産に占める不良資産(NPA=元利回収遅延融資+担保権行使による取得不動産等)比率は2.70%で、前月末から改善、前年同月末からは悪化した。一方、不良資産(NPA)貸倒引当率は75.14%で前月末、前年同月末から低下した。

 フィリピン銀行業界の不良債権・不良資産比率など(月末値、単位:%)
項目 2020年12月 2021年11月 2021年12月
総融資に占める総不良債権(NPL)比率 3.63 4.35 3.99
NPL貸倒引当比率 92.98 87.13 87.37
総融資残高(TLP)貸倒引当比率 3.38 3.79 3.49
総資産に占める不良資産(NPA)比率 2.57 2.89 2.70
不良資産(NPA)貸倒引当比率 78.47 75.26 75.14
(出所:BSP資料より作成)

 フィリピン銀行業界の不良債権(元利回収遅延債権=NPL)比率などの推移(単位:億ペソ、比率%)
年月 総融資残高 NPL残高 貸倒引当残高 対総融資NPL比率 NPL貸倒引当比率 TLP貸倒引当比率
13年末 48,970 1,355 1,609 2.77 118.69 3.29
14年末 58,324 1,348 1,616 2.31 119.83 2.77
15年末 65,273 1,365 1,616 2.09 118.42 2.48
16年末 76,121 1,442 1,728 1.89 119.89 2.27
17年末 88,656 1,530 1,843 1.73 120.44 2.08
18年末 100,779 1,778 1,871 1.76 105.22 1.86
19年末 109,661 2,241 2,075 2.04 92.59 1.89
20年末 108,726 3,949 3,672 3.63 92.98 3.38
21/1月 106,185 3,955 3,712 3.72 93.86 3.50
2月 105,793 4,313 3,736 4.08 86.64 3.53
3月 106,608 4,484 3,733 4.21 83.24 3.50
4月 106,493 4,637 3,778 4.35 81.48 3.55
5月 106,697 4,795 3,834 4.49 79.96 3.59
6月 107,757 4,830 3,978 4.48 82.36 3.69
7月 108,046 4,870 4,015 4.51 82.44 3.72
8月 108,988 4,919 4,108 4.51 83.52 3.77
9月 109,643 4,864 4,106 4.44 84.42 3.74
10月 109,597 4,840 4,134 4.42 85.41 3.77
11月 110,801 4,819 4,199 4.35 87.13 3.79
12月 113,891 4,545 3,971 3.99 87.37 3.49
(出所:BSP資料より作成)

 フィリピン銀行業界の対リスク資産自己資本比率(CAR、単独ベース、単位:%)
2020年 2021年
3月末 6月末 9月末 12月末 3月末 6月末 9月末
15.54 16.40 16.87 16.72 16.90 17.17 17.10
(出所:BSP資料より作成)