三菱商事、マニラ地下鉄の鉄道システム一式受注

1,400億円で軌道、信号・通信設備、受配電設備など

2022/02/15

 三菱商事は、2月14日、「フィリピン運輸省(DOTr)より、マニラ首都圏地下鉄向け鉄道システム一式の納入を受注した」と発表した。

 このプロジェクトでは、日本政府により国際協力機構(JICA)を通じて本邦技術活用条件(STEP)を適用した円借款が供与されている。三菱商事は、マニラ首都圏の北部ヴァレンスエラ市と南部パラニャーケ市を結ぶフィリピン初となる地下鉄向けに鉄道システム一式(軌道、信号・通信設備、受配電設備、電車線、自動改札機、ホームドア等)を設計・製造・据付し、DOTrに納入する。受注金額は約1,400億円で、完成は2028年頃を見込んでいる。

 この事業は、急速な経済成長を背景に増加するマニラ首都圏の交通需要への対応を図ると共に、深刻な交通渋滞と大気汚染の緩和に資するもので、フィリピン政府によるインフラ計画「ビルド・ビルド・ビルド」の優先事業と位置付けられている。三菱商事が受注した鉄道システムは、イーストバレンスエラ駅からターミナル3駅(ニノイ・アキノ国際空港ターミナル3と接続)までの15駅27㎞、加えて別途借款を活用して整備されるビクータン駅迄の整備を対象としており、この地下鉄の開通によって、従来、自動車で必要だった移動時間から1時間以上短縮される見込みである。

 フィリピンでは、今後も既存路線の延伸や新線の建設が多数計画されている。三菱商事は、世界各国で培ってきた鉄道事業のノウハウを活用することで、フィリピンにおける交通インフラの整備に寄与し、人々の移動における利便性の向上を通じて、経済発展を続けているフィリピンに貢献して行く方針である。また、日本政府が推進する質の高いインフラシステム輸出を後押しし、鉄道インフラ案件に積極的に取組むことで、地域の利便性の向上や、渋滞等の地域課題への対応と解決策の提供を目指す。