RCBC、環境社債での累計調達額868億ペソに

環境保全型事業推進、比初のPCAF加盟銀行

2022/02/22

 リサール商業銀行(RCBC、証券コード:RCB)は、2月21日、グリーンボンド(持続可能性社債もしくは環境社債)147億5,626万ペソを発行するとともに、この環境社債をフィリピン ディーリング&エクスチェンジ(PDEx)運営の債券取引所(電子取引)に上場した。

 今回の環境社債は2年3カ月物で年利は3.00%、募集は1月31日~2月11日に行われた。当初の発行額は30億ペソであったが、投資家の反応が良好なことから、約5倍の規模に増額された。単独発行幹事会社兼ブックランナーはRCBCキャピタル、販売機関は香港上海銀行(HSBC)とRCBCであった。

 RCBCは、2019年、ASEANグリーンボンド基準に沿ったグリーン・ファイナンス(環境関連金融)フレームワーク(1,000億ペソ)を設定した。今回のグリーンボンドは、このグリーン・ファイナンスフレームワークでの7回目の起債である。7回の起債で合計868億ペソが調達された。

 このように、RCBCは環境保全型事業を推進しつつある。2020年末のサステナビリティ融資残高は521億6,500万ペソに達した。そのうちの327億2,200万ペソが15のグリーン事業(温暖化対策、輸送効率化、省エネなど)に、194億3,200万ペソが9,947の社会事業(割安住宅、雇用創出など)に融資されている。そして、融資ポートフォリオの10%を占めるにようになっている。

 2021年9月には、金融機関の投融資を通じた間接的な温室効果ガス排出量を計測・開示するための取り組みを行う国際的なイニシアティブ「Partnership for Carbon Accounting Financials(PCAF)」に、フィリピンの銀行として初めて加盟した。これにより、融資と投資によって間接的に排出される温室効果ガス(GHG)排出量を開示する。PCAFは、2015年に欧州金融機関を中心として発足した国際的なイニシアティブで、金融機関のファイナンスポートフォリオにおける、投資や融資等全ての資産クラスについて温室効果ガス排出量を計測する手法を開発している。