大阪ガスとAGPのLNG輸入基地、7月に稼働見込み

アブダビ国営石油系企業と日本製FSRUのチャーター契約

2022/02/24

 大阪ガスとAGPインターナショナルホールディングス.(AGP IH)によるバタンガス港でのLNG輸入・再ガス化ターミナル事業第1期が今年7月にも稼働する見込みとのことである。

 エネルギー省(DOE)は、既に昨年9月に、「フィリピンで新しく進められつつあるLNG輸入・再ガス化ターミナル事業の中で、大阪ガスとAGP IHによるバタンガス港でのターミナルが最も早く稼働するであろう。2022年夏には試運転が行われるであろう」とコメントしている。

 2月24日付けビジネスワールド紙などによると、AGP IHは、このほど、浮体式LNG貯蔵再ガス化設備(FSRU、LNG貯蔵・再ガス化設備を搭載した船)に関して、アブダビ国営石油ロジスティクス&サービス社との間で、日本製のMOSS型船舶(貯蔵量13万7,512立米)の15年間チャーター契約を締結したと発表した。チャーター船は洋上ターミナルの一部となる。

 大阪ガスは、2019年7月、100%子会社であるOsaka Gas Singapore Pte. Ltd.(OGS)を通じ、国際協力銀行(JBIC)とともに、AGP インターナショナルホールディングス.(AGP IH)に出資するとともに、AGP IHと天然ガスバリューチェーンに関する戦略的協業契約を締結した。合計出資額は100億円。

 AGPグループは、フィリピンにおいて100年以上の歴史(1900年創立)を持つ建設・エンジニアリング事業を基盤とする企業グループである。近年は、中小型のLNG船設計などを行う「Gas Entec Co., Ltd.」 を買収するなど、段階的に事業の範囲を拡大している。LNG事業における確かな技術力や高いマーケティング能力を有しており、東南アジアやインドを中心に浮体式LNG基地事業や都市ガス事業に参画するなど、積極的に需要を開拓し、LNG事業の拡大を進めている。

 大阪ガスは、AGP IHへの出資を通じて、フィリピンの新規LNG受入基地事業及び都市ガス事業へ参画するとともに、国内で培った両事業のノウハウを活かしてAGPとの協業を促進させつつある。上記の出資および戦略的協業契約の締結により、AGPグループが有するLNG事業における案件発掘力やエンジニアリング力と、大阪ガスが国内で蓄積してきたLNGやパイプラインなどに関する知見を相互に活用することで、東南アジアをはじめとしたLNG新興国において、LNG基地事業や発電事業およびLNG供給事業などを含めた天然ガスバリューチェーンの構築に取り組んでいく。