ワクチン接種開始1周年、6,300万人が接種完了

中国シノバック製でスタート、その後ワクチン類輸入急増

2022/03/04

 フィリピンの全国新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン接種展開プログラム『Resbakuna Program』が3月1日に1周年記念を迎えた。保健省(DOH)によると、この1年間で6,300万人を超える国民がCOVID-19ワクチンの規定(モデルナやファイザー製などは2回、ジョンソン&ジョンソン製は1回)接種を終えている。

 フィリピンでは、2021年2月28日に、中国のシノバック・バイオテック社製の60万回分の新型コロナウイルスワクチン(中国政府寄贈)が到着、3月1日から、医療関係者などに対する接種が開始された。
 
 プログラムの初期段階では、COVID-19への感染リスクが高いセクター、すなわち医療従事者、高齢者(60歳以上)、併存疾患のある人々への接種が優先された。国立予防接種オペレーションセンター(NVOC)のデータによると、ワクチン接種を終えた人の割合は、医療従事者の93%、高齢者の62.8%、併存疾患のある人の92%。

 COVID-19ワクチン接種プログラムの一環として、2月7日、5歳~11歳の子供を対象にワクチン接種を開始し、70万人以上の子供たちが1回目のCOVID-19ワクチンの接種を受けた。保健省は、全国ワクチン接種デーの実施、薬局でのワクチン接種、職域接種、高齢者・脆弱な集団対象の航空・海上輸送ターミナルでのワクチン接種等のプログラムを通じて集団免疫に向けて邁進している。

 このような状況下で、フィリピンのワクチン類の輸入(調達)額が急増している。統計庁(PSA)の輸入統計によると、2021年12月のワクチンを含む個人用防護具(PPE)及び医療用品の輸入額は前年同月比2,319.4%増(約24.2倍)の7億5,474万米ドルへと急増した。ワクチンの輸入額が7億2,283万米ドルとその大部分を占めた。増加した品目は安全ヘッドギア(+733.8%)と一般用マスク(+4.6%)、一方減少したのはフェイスシールド(-96.2%)、医療用マスク(-84.4%)、医療用手袋(-48.7%)、防護服(-45.1%)、検査キット(-13.5%)。