比トヨタが20年連続の三冠王、累計販売200万台突破

21年の市場シェア46.3%と断トツ、過去最高、ASEANで最高

2022/03/13

 トヨタ自動車の製造・販売拠点であるトヨタモーター フィリピン(TMP、比トヨタ自動車、所在地:ラグナ州サンタロサ市)の創業以来約33年半の累計販売台数が200万台を突破した。

 TMPの累計販売台数が100万台を突破したのは2015年4月であった。100万台達成は創業から26年半後であったが、100万台突破から200万台突破までは僅か7年間弱であった。100万台突破、200万台突破ともに、フィリピン自動車業界初のことであり、TMPの強さが際立っている。

 TMPは、2021年まで20年連続でフィリピン自動車市場の三冠王(総販売台数、商用車販売台数、乗用車販売台数いずれもトップ)を維持している。個別モデル販売ランキングにおいても常に上位を独占している。2021年は、上位6モデル(ヴィオス、ハイラックス、ウイゴー、イノーバ―、フォーチュナー、ラッシュ)を独占している。8位にハイエースがランクされており、上位10モデルのうち7モデルを占めている。2021年の市場シェアは46.3%で前年の41.3%から一段と上昇、過去最高を更新するとともに、ASEAN市場で最高となっている。

 ラグナ州サンタロサ市に国内最大の自動車製造工場を有し、現在はサブコンパクトセダン「ヴィオス」や多目的車「イノーバ」を生産している。TMPの累計生産台数は95万8,000台を突破、グループ全体の雇用数は6万人超、累計投資額670億ペソ、累計輸出額163億米ドル、累計納税額約4,260億ペソに達し、業界の発展に大きく貢献するのみならず、フィリピン経済や人々の生計向上に寄与してきている。

 TMPは、「トヨタ環境チャレンジ2050(TEC2050)」のもとで環境を経営の最重要課題のひとつと位置付け、CO2排出ゼロにとどまらず環境へのプラスを目指すトヨタグループの一員として、クルマの製造時におけるCO2排出量ゼロを目指す「工場CO2ゼロチャレンジ」など環境マネジメントも強化している。工場は環境保全を最優先にデザインされており、太陽光発電システムの導入なども積極的に進められている。更に、ハイブリッド車(HV)の啓蒙・普及やそれによる環境保全啓蒙活動も加速化している。

 上記のように、TMPは1988年8月3日にトヨタ自動車のフィリピン車両製造/販売拠点として設立された。現在の出資比率はトヨタ自動車34%、三井物産15%、メトロポリタンバンク&トラスト(メトロバンク、証券コード:MBT)グループの持株会社GTキャピタル   ホールディングス(証券コード:GTCAP)51%となっている。現在、全国に73の販売代理店を有している。また、販社「レクサス マニラ」を通じて、ハイブリッド車を含む各種レクサス車の輸入販売を行っている。2009年1月に開業し今年周年を迎えた「レクサス・マニラ」は三井物産との合弁企業であり、TMPCの出資比率は75%、三井物産の出資比率が25%となっている。

 フィリピン新車販売における上位10車種の推移
2018年 2019年 2020年 2021年
車名 販売数 車名 販売数 車名 販売数 車名 販売数
トヨタヴィオス 25,840 トヨタヴィオス 33,181 トヨタヴィオス 25,290 トヨタヴィオス 35,095
トヨタフォーチュナー 23,082 トヨタハイラックス 20,846 トヨタハイラックス 13,637 トヨタハイラックス 18,969
トヨタウイゴー 21,234 トヨタイノーバ 20,794 トヨタウイゴー 11,853 トヨタウイゴー 17,491
トヨタハラックス 18,237 トヨタフォーチュナー 19.865 トヨタイノーバ 10,551 トヨタイノーバ 13,304
トヨタイノーバ 18,175 三菱エクスパンダー 19,089 トヨタハイエース 10,362 トヨタフォーチュナー 12,982
トヨタハイエース 17,972 日産ナバラ 19,034 トヨタラッシュ 10,194 トヨタラッシュ 12,564
三菱モンテロ 16,148 トヨタハイエース 18,656 フォードレンジャー 9,767 三菱エクスパンダー 11,342
日産ナバラ 16,140 トヨタウイゴー 18,183 日産ナバラ 9,164 トヨタハイエース 10,273
三菱ミラージュG4 14,810 三菱ミラージュG4 17,835 三菱ミラージュG4 8,638 三菱L300 10,147
三菱エクスパンダー 13,502 トヨタラッシュ 15,172 トヨタフォーチュナー 8,494 日産ナバラ 9,882
(出所:CAMP等の資料から作成)