1月の失業率6.4%、新型コロナ禍以降の最低に

20年1月5.8%以来の低水準、不完全就業率14.9%

2022/03/20

 フィリピン統計庁(PSA)は3月17日、2022年1月の労働力調査(LFS)速報を発表した。それによると、2022年1月の15歳以上の失業者数は前年同月比(以下同様)26.2%減の推定293万人で、失業率は6.4%(速報値)へと低下した。2022年1月の失業率は、新型コロナウイルスパンデミック発生直前である2020年1月の5.3%(2020年2月と3月の公式発表行われず、当時は年4回の発表)以来の低水準であった。そして、パンデミック発生後の最悪となった2020年4月の17.7%から大幅改善している。

 フィリピン労働力調査(LFS)
項目 21年1月 21年4月 21年7月 21年10月 21年12月 22年1月
労働力参加率(%) 60.5 63.2 59.8 62.6 65.1 60.5
就業率(%) 91.2 91.3 93.1 92.6 93.4 93.6
不完全就業率(%) 16.0 17.2 20.9 16.1 14.7 14.9
失業率(%) 8.8 8.7 6.9 7.4 6.6 6.4
(出所:PSA資料より作成、2021年4月~速報値)

 当1月の15歳以上の労働力人口は1.6%増の推定4,594万人と小幅増。また、労働力参加率は60.5%と前年同月から横ばいとなった。

 就業者数は4.3%増の推定4,302万人、就業率(雇用率)は93.6%と前年同月を2.4%ポイント上回った。防疫措置の緩和が寄与した。就業者を業種別に分類すると、農業部門が21.7%(前年同月24.4%)、鉱工業部門が19.3%(同18.4%)、サービス部門が58.9%(同57.2%)であった。

 就業形態は、賃金労働者が全体の65.6%を占め、その51.6%が民間企業労働者、9.5%が政府系企業社員・公務員だった。自営・事業主は全体の29.4%、無給家内労働者は5.0%。また、週平均労働時間は41.8時間で、前年同月の39.3時間を上回った。フルタイム就業者(週40時間以上勤務)は就業者全体の69.2%。
 不完全就業者(就業者であっても十分な労働時間に満たず追加の仕事を求めているパートタイム労働者)数は2.9%減の推定640万人で、不完全就業率は14.9%(前年同月16.0%)。不完全就労者全体の59.5%が労働時間週40時間以下だった。
 
 失業者(293万人)を年齢層でみると、15歳-24歳が全体の30.1%、25歳-34歳が35.5%と合計で全体の65.6%を占めた。学歴別では、中学校進学・卒業者の割合は39.3%(卒業者は28.3%)、大学進学・卒業者では33.6%(卒業者は20.4%)。性別では、男性57.8%、女性42.2%。
 2022年1月の若年(15-24歳)労働力参加率は32.0%で前年同月の34.7%から低下したが若年就業率(雇用率)は86.2%と前年同月の80.2%から上昇した。平均週労働時間は39.1時間(前年同月37.2時間)。また、不完全就業率は12.7%で前年同月の14.8%から低下。失業率は13.8%で前年同月から6.0%ポイント低下した。