24日に中央銀行金融政策会合、金利据置観測優勢
エコノミスト17人対象調査、2名が0.25%利上げ予想:BW紙
2022/03/21
3月24日に、今年2回目の中央銀行(BSP)金融委員会(MB)定期政策会合が開催される。
米連邦準備理事会(FRB)は、15日~16日に開催された3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)において、遂に2018年12月以来の利上げ(0.25%)を決定した。更に、今回を含む年内の利上げ回数が7回になる見通しや、保有資産を減らす量的引き締めにも着手する方針が示された。
このような米金利引き上げ決定後の初の政策定期会合であるだけに注目度が高まっている。原油価格が依然高水準であるが直近のピーク時からはかなり反落していること、BSPのディオクノ総裁が、「米国の金融政策に安易に追随することはない。フィリピンの金融政策は国内の物価、景気に関してのデータ等に基づいて決定される」、「可能な限り、景気回復支援型の金融政策を継続したい」と繰り返していることもあって、3月24日には、金利据置が決定されるとの見方が優勢である。
有力経済紙であるビジネスワールド紙が先週末実施したエコノミスト17名対象の事前調査においても、15名が金利据置と予想している。金利据置と見る理由として、「経済がCOVID-19パンデミック前の水準に戻っていない」、「昨今のフィリピンのインフレ率上昇は主に供給サイドファクターによるものであり、非金融政策で対応すべき」等が挙げられている。
一方、アジア経営学院(AIM)のジョン・パオロ・リビラ氏と、サン・フアン・デ・レトラン大学大学院のエマニュエル・ロペス氏の2名は0.25%の利上げを予想している。リベラ氏は、「石油価格の高騰がインフレに与える影響は、適切な金融政策によって緩和される必要がある」、ロペス氏は、「ロシアの侵攻によってもたらされた不確実性のために、物価の更なる上昇懸念があり金融調整が必要」とコメントしている。
BSPは、現在、年8回の金融委員会(MB)定期政策会合を開催している。基本的には、政策金利など重要金融政策は、MB定期政策会合において決定される。急を要する場合は、臨時政策会合において金融政策変更が決定されることもあるが稀である。2022年のMB定期政策会合は、2月17日、3月24日、5月19日、6月23日、8月18日、9月22日、11月17日、12月15日開催と予定されている。1月、4月、7月、10月は開催されない。
上記スケジュールに沿って、2月17日、今年1回目のMB定期政策会合が開催された。この会合では、10会合連続での政策金利据え置きが決定された。すなわち、主要政策翌日物借入金利(RRP)2.00%を中心とする1.50%~2.50%という現行の金利コリドーが継続されることになった。この金利体系は、2016年に中央銀行が金利コリドー制を導入して以降の最低水準である。上記のように、3月24日も11会合連続で政策金利据置が決定されるとの見方が多い。
しかし、米国が40年ぶりの高インフレを記録、引き締め加速化方針を表明した中で、フィリピンが何時まで現行政策を継続出来るかが注目される。5月19日の政策会合時点では、米国の追加利上げの動きが具体化していると見られることや2カ月ぶりの政策会合開催であること、更には5月12日にフィリピンの第1四半期GDP統計が発表されることなどから、BSPのスタンス変化の兆しが見え始める可能性がある。そして、6月23日には利上げが決定されるとの見方がかなり増えている。
フィリピンのインフレ率推移(2012年基準と2018年基準との比較)
(出所:PSA資料などより作成、2022年と2023年予想はBSPの22月17日時点の予想)
米連邦準備理事会(FRB)は、15日~16日に開催された3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)において、遂に2018年12月以来の利上げ(0.25%)を決定した。更に、今回を含む年内の利上げ回数が7回になる見通しや、保有資産を減らす量的引き締めにも着手する方針が示された。
このような米金利引き上げ決定後の初の政策定期会合であるだけに注目度が高まっている。原油価格が依然高水準であるが直近のピーク時からはかなり反落していること、BSPのディオクノ総裁が、「米国の金融政策に安易に追随することはない。フィリピンの金融政策は国内の物価、景気に関してのデータ等に基づいて決定される」、「可能な限り、景気回復支援型の金融政策を継続したい」と繰り返していることもあって、3月24日には、金利据置が決定されるとの見方が優勢である。
有力経済紙であるビジネスワールド紙が先週末実施したエコノミスト17名対象の事前調査においても、15名が金利据置と予想している。金利据置と見る理由として、「経済がCOVID-19パンデミック前の水準に戻っていない」、「昨今のフィリピンのインフレ率上昇は主に供給サイドファクターによるものであり、非金融政策で対応すべき」等が挙げられている。
一方、アジア経営学院(AIM)のジョン・パオロ・リビラ氏と、サン・フアン・デ・レトラン大学大学院のエマニュエル・ロペス氏の2名は0.25%の利上げを予想している。リベラ氏は、「石油価格の高騰がインフレに与える影響は、適切な金融政策によって緩和される必要がある」、ロペス氏は、「ロシアの侵攻によってもたらされた不確実性のために、物価の更なる上昇懸念があり金融調整が必要」とコメントしている。
BSPは、現在、年8回の金融委員会(MB)定期政策会合を開催している。基本的には、政策金利など重要金融政策は、MB定期政策会合において決定される。急を要する場合は、臨時政策会合において金融政策変更が決定されることもあるが稀である。2022年のMB定期政策会合は、2月17日、3月24日、5月19日、6月23日、8月18日、9月22日、11月17日、12月15日開催と予定されている。1月、4月、7月、10月は開催されない。
上記スケジュールに沿って、2月17日、今年1回目のMB定期政策会合が開催された。この会合では、10会合連続での政策金利据え置きが決定された。すなわち、主要政策翌日物借入金利(RRP)2.00%を中心とする1.50%~2.50%という現行の金利コリドーが継続されることになった。この金利体系は、2016年に中央銀行が金利コリドー制を導入して以降の最低水準である。上記のように、3月24日も11会合連続で政策金利据置が決定されるとの見方が多い。
しかし、米国が40年ぶりの高インフレを記録、引き締め加速化方針を表明した中で、フィリピンが何時まで現行政策を継続出来るかが注目される。5月19日の政策会合時点では、米国の追加利上げの動きが具体化していると見られることや2カ月ぶりの政策会合開催であること、更には5月12日にフィリピンの第1四半期GDP統計が発表されることなどから、BSPのスタンス変化の兆しが見え始める可能性がある。そして、6月23日には利上げが決定されるとの見方がかなり増えている。
フィリピンのインフレ率推移(2012年基準と2018年基準との比較)
年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 |
2018年基準 | N.A. | N.A. | N.A. | N.A. | 2.4% | 2.4% | 3.9% | 3.7% | 3.3% |
2012年基準 | 0.7% | 1.3% | 2.9% | 5.2% | 2.5% | 2.6% | 4.5% | N.A. | N.A. |
インフレ目標 | 2~4% | 2~4% | 2~4% | 2~4% | 2~4% | 2~4% | 2~4% | 2~4% | 2~4% |
« 21年政府系企業への助成金、19%減の1,848億ペソ | 3月21日報告のコロナ感染415人、首都圏は115人 »