セブ航空、21年の赤字12%増の249億ペソ

収入30%減の157億ペソ、費用389億ペソ

2022/03/24

  フィリピンの格安航空(LCC)最大手であるセブ航空(証券コード:CEB、ブランド名:セブ パシフィック航空)は、3月23日、2021年(1月~12月)の決算速報を公表した。年間ベースでは、依然として長引く新型コロナウイルス禍、変異株出現、それらに伴う断続的な外出・移動制限厳格化の影響を被る結果となった。

 CEBの2021年の営業収入は、乗客数大幅減少などにより、前年比(以下同様)30%減の157億ペソにとどまった。営業費用については、燃料費が大幅値上がりしたが運航便数減少などで10%減の389億ペソであった。これらの結果、営業損失額は12%増の232億ペソへと拡大。ペソ安による為替換算損失が発生したこともあって、純損失額(赤字)は12%増の249億ペソへと拡大した。

 営業収入のうち、旅客収入は50%減の63億ペソと急減。運航便数が18%減少、乗客数が32%減の341万人と大幅減少したうえ、平均運賃も大幅低下した。ただし、第4四半期の乗客数は346%増(約4.5倍)の152万人と急回復した。一方、年間の貨物収入は20%増の65億ペソと好調、一時的ながら旅客収入を上回った。

 2021年は新型コロナウイルス禍で2年連続で大幅減収となったが、ポストパンデミックに向けて、デジタル化などによる運航効率の向上を伴うビジネス変革に着手している。ビジネス変革を推進するためには、財務基盤の強化が必要であり、「ビジネス・トランスフォーメーション資金調達計画」を実施してきた。既に16億ドル超を調達、2021年末の現金残高は196億ペソで、パンデミック前の水準を上回るに至った。


 セブ・パシフィック航空の乗客数・客席数・稼働率の推移(子会社CEBGOも含む)
項目 4Q 伸び率 1月-12月 伸び率 
2020年 2021年 2020年 2021年
乗客数 340,271 1,516,593 346% 5,026,112 3,411,396 -32%
客席数 687,324 2,237,846 226% 6,618,802 5,630,832 -15%
客席稼働率 49.5% 67.8% +18.3pts 75.9% 60.6% -15.4pts
稼働キロ数(RPK、千km) 357,382 1,000,996 180% 5,275,176 2,479,432 -53%
座席キロ数(ASK、千km) 843,820 1,731,131 105% 7,107,170 4,878,304 -31%
便数 5,686 12,914 127% 41,804 34,463 -18%
機体数(月/期末現在) 74 74 0% 74 74 0%
(出所:セブ・パシフィック航空の統計より作成、CEBGO:旧タイガーエア・フィリピンズ)

 乗客数・客席数・稼働率の推移(子会社CEBGO含む)
2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年
乗客数(万人) 1,435 1,687 1,838 1,913 1,975 2,028 2,247 503 341
客席数(万席) 1,752 2,011 2,225 2,225 2,349 2,391 2,601 662 563
客席稼働率 81.9% 83.9% 82.6% 86.0% 84.0% 84.8% 86.4% 75.9% 60.6%
(出所:セブ・パシフィック航空の統計より作成)