比日産、ロペス財閥系企業とEVで提携

「ブルー・スイッチ」に基づき電動化推進へ

2022/03/29

 日産自動車のフィリピン販売拠点である日産フィリピン(NPI、本社:マニラ首都圏ボニファシオ・グローバルシティ)は、近年市場シェアを急ピッチで上昇させるとともに、電気自動車(EV)啓蒙・普及も推進しつつある。 

 NPIは、日産自動車の「ブルー・スイッチ」イニシティアブに基づき、地球温暖化や災害対策等の課題を解決するための電動化アクションを活発化させている。電気自動車や充電器の普及など、電動化によるソリューションの提供を通じて環境、災害対策、エネルギー・マネジメント、観光、過疎化対策など、多岐にわたる活動を展開していく。

 その一環として、2021年5月には、完全電気自動車(EV)「日産リーフ」を発売した。取り扱いディーラーには、日産 リーフ所有者専用の無料の充電ステーションが設置されており、40分~60分で充電できる。

 NPIは、このような電動化アクションの一環として、ロペス財閥傘下の発電企業ファースト ジェン(証券コード:FGEN)と提携した。具体的な提携事業のスタートとして、NPIは、FGENの統合電気自動車(EV)プロジェクトに参画している。

 FGENの「GreenWheels」と称される統合EVプロジェクトは、充電設備を含むEV普及を目指すものであり、先ずはバタンガス州のFGENクリーンエネルギーコンプレックス内に高速充電ステーションを設置、テスト車両として日産リーフを採用、実証を行う。この充電ステーションは高速であるだけでなく、動力源としてソーラー電力を活用する。このクリーンで非常に高速な充電ステーションは、バタンガスでの実証後、各地に展開することを視野に入れている。

 なお、日産自動車は、2000年初めにフィリピンからほぼ資本撤退したこともあって、2012年には市場シェアが3%台にまで低下した。このような状況下で、日産自動車は2013年12月に、51%出資のNPIを設立、2014年に営業を開始した。このような日産自動車のフィリピン市場への本格的再参入効果などにより市場シェアは再上昇している。2018年は8.7%へ急上昇、業界第4位へと躍進した。更に2019年のシェアは10.3%へと上昇、久々に業界第3位となった。2020年のシェアは8.8%へと低下したが業界第3位、2021年も4位で上位常連の座を回復している。