日本、比の新型コロナ対策に300億円の追加支援

パンデミック以降ワクチン供与含む多面的な支援継続

2022/04/19

 日本外務省は、「4月18日、マニラにおいて、越川和彦駐フィリピン日本国大使と、フィリピンのローデス・オルティス・イパラギー外務省多国間問題・国際経済関係担当次官との間で、フィリピンにおける新型コロナウイルス危機対応のための緊急支援を目的として、300億円を限度とする円借款に関する交換公文の署名が行われた」と発表した。

 フィリピンにおいては、新型コロナウイルス感染症の累計感染者数約370万人、死者約6万人を記録している。このような状況下、新型コロナウイルス感染拡大にかかる危機対応及びポスト・コロナの経済・社会回復が課題となっている。今回の円借款は、フィリピンに対し、財政支援を通じて感染拡大の抑制とともに、経済・社会の回復と安定及び持続的発展に寄与することが期待される。
<供与条件(新型コロナ危機対応緊急支援円借款)>
 ア 金利:0.01%
 イ 償還期間:15年(4年の据置期間を含む)
 ウ 調達条件:アンタイド

 日本外務省によると、新型コロナウイルス感染症の世界規模での拡大及びそれに伴う経済社会活動の停滞は、人の往来やモノの流通がグローバルに進展している現在、日本を含む全ての国の経済・社会にとっても大きな脅威であり、国際社会全体が一致して取り組むべき課題である。とりわけ円借款を通じて、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けるアジア・大洋州などの途上国における経済活動の維持・活性化に貢献することは、日本を含む世界経済を下支えする観点からも重要である。日本は、新型コロナウイルス感染症の一日も早い沈静化並びに国際社会・経済の回復と安定及び持続的発展に向けて、引き続き、国際社会の取組を主導すべく途上国を支援していく方針である。

 なお、日本は多面的かつ継続的なフィリピンの新型コロナ対策支援を行ってきている。 2020年8月には、500億円の新型コロナウイルス危機対応のための緊急支援融資(CCRESL)が実行された。この緊急支援は、フィリピンにおける新型コロナウイルス感染拡大の抑制とともに、社会・経済の回復と安定及び持続的発展支援を目的としたものであった。フィリピンは、日本のCCRESLプログラムの最初の受益者になるとともに、500億円のCCRESLに関する交換公文の署名が行われた2020年7月1日後わずか44日間という記録的な短期間で500億円を拠出した日本に感謝の意を表している。

 日本はCCRESL以外にも、2020年9月に署名された総額500億円の「災害復旧スタンド・バイ借款(フェーズ2)」(PDSL-2)、ワクチン無償供与、ワクチン輸送用コールドチェーン関連機材無償供与などフィリピンのコロナ対策支援を行ってきている。