21年の地域別GDP成長率、首位カラバルソンの7.6%

最低はミマロパの3.3%、マニラ首都圏4.4%でワースト3に

2022/04/29

  フィリピン統計庁(PSA)は4月28日、2021年の国内地域別経済成長率(2018年=100)を発表した。2021年は全国17地域全てが2020年の新型コロナ(COVID-19)パンデミックから回復し、プラス成長を記録した。ちなみに、全国のGDP成長率は5.7%(2020年はマイナス9.5%)であった。

  地域別では、カラバルソン地域の実質GDP成長率は7.6%と最も高かった。次いで、ムスリム・ミンダナオ・バンサモロ自治区(BARMM)とコルディリェラ行政地域(CAR)の7.5%、中央ルソン地域の7.4%、カラガ地域の7.2%。その他で全国レベル(5.7%)を超えたのは、北ミンダナオ地域6.3%、東ビサヤ地域6.0%、西ビサヤ地域5.9%、ダバオ地域5.9%。サンボアンガ半島は全国レベルと同じ5.7%だった。
 最も低かったのはミマロバ(第4B地域)の3.3%。次に低かったのはビコールの4.3%、マニラ首都圏(NCR)の4.4%と続く。NCRは前年のマイナス10.0%からは回復したが、2021年の地域別成長率はワースト3となった。

 家計最終消費支出(個人消費)で最も成長率が高かった地域はカラガで、10.6%を記録した。次いで、東ビサヤ地域10.2%、カガヤンバレー地域9.0%、CAR8.0%。政府最終消費支出では、BARMMの成長率が12.6%とトップになった。次いで、カガヤンバレー地域の11.6%、中央ルソン地域の8.9%、首都圏の7.7%だった。

 全国レベルの1人当たり実質GDP成長率は4.3%で、それを上回った地域は9地域だった。CARが6.6%と最も高く、次いでカラガ地域の6.1%、中央ルソン地域とカラバルソン地域の5.7%、BARMMの5.4%、北ミンダナオ地域の5.1%、西ビサヤ地域とサンボアンガ半島の5.0%などだった。

 2021年フィリピン地域勘定(RAP)は2022年4月7日に発表された改訂版年次推定値と一致している。

 地域別実質国内総生産(GDP)成長率の推移(2018年基準:単位:%、構成比は2021年分)

地域 構成比 2019-2020年 2020-2021年
フィリピン全体 100.0 -9.5 5.7
首都圏(NCR) 31.5 -10.0 4.4
コルディリェラ行政地域(CAR) 1.7 -10.2 7.5
第1地域:イロコス 3.3 -7.7 4.6
第2地域:カガヤンバレー 2.1 -9.8 5.1
第3地域:中央ルソン 10.9 -13.9 7.4
第4A地域:カラバルソン 14.7 -10.5 7.6
第4B地域:ミマロパ 2.0 -7.5 3.3
第5地域:ビコール 2.9 -8.3 4.3
第6地域:西ビサヤ 4.7 -9.7 5.9
第7地域:中央ビサヤ 6.5 -9.5 5.4
第8地域:東ビサヤ 2.5 -7.4 6.0
第9地域:サンボアンガ半島 2.1 -5.2 5.7
第10地域:北ミンダナオ 4.7 -5.3 6.3
第11地域:ダバオ 4.8 -7.5 5.9
第12地域:ソックサルジェン 2.5 -4.4 5.2
第13地域:カラガ 1.6 -6.9 7.2
BARMM 1.4 -1.9 7.5
(出所:フィリピン統計庁資料より作成、BARMM:ムスリム・ミンダナオ・バンサモロ自治区)