4月の株価6.6%下落、約8カ月ぶりの安値に
4カ月間で5.5%下落、外国人104億ペソの売り越し
2022/05/01
フィリピンの代表的株価指数であるフィリピン証券取引所指数(PSEi)の2022年4月末終値は6,731.25ポイントとなり、前月末と比べて6.56%下落した。4月末終値は、新型コロナパンデミック対策としてのロックダウン発令直前の2020年3月第1週とほぼ同水準であり、主要国市場に比べて、戻りが非常に鈍いといえる。
4月は、新型コロナウイルス感染急減やそれに伴う経済活発化期待で7,000ポイント台で推移する場面もあった。しかし、ウクライナ情勢悪化・長期化懸念、米国のインフレ高進や金融引き締め加速化懸念、中国景気悪化懸念などを背景に、上値も重い展開が続いた。そして、月末にかけては、主要国市場の急反落やフィリピンが想定より早い時期に利上げ開始という観測の広がりにより急落、特に、最終日の4月29日に2.6%の下落したことで、月間ベースで大幅続落となった。4月の終値ベースでのPSEi最高値は4日の7,163.21ポイントであった。最安値は29日の6,713.25ポイントで、2021年8月24日の6,678.82ペソ以来、約8カ月ぶりの安値に落ち込んだ。
これらの結果、PSEiは年初4カ月で5.49%の低下となった。4カ月間の大分類セクター別の指数の動きは、鉱業・石油株(+20.03%)、金融株(+0.10%)が上昇した一方、工業株(-11.75%)、持株会社株(-6.84%)、サービス業株(-5.85%)、不動産株(-5.08%)は下落した。原油価格上昇の影響を大きく受ける工業株が下げ相場を主導したほか、サービス業株が前年の大幅上昇の反動、不動産株は金利敏感セクターの代表として売られている。
4カ月間の1日当たり平均売買額は前年同期比24%減の74億ペソ。外国人投資家は約104億ペソの売り越しであったが、前年同期の約616億ペソからは売り越し額が83%減少した。外国人の売買額シェアは40%で、前年同期の27%から大幅拡大した。4月末のPSE時価総額は17兆1,052億ペソで、前年同期末比では11.2%増加したが、2021年末からは5.4%減少した。
PSE指数(PSEi)の推移(年末値/月末価)
(出所:フィリピン証券取引所資料より作成)
フィリピン証券取引所のセクター別株価指数上昇率
(出所:フィリピン証券取引所資料より作成)
フィリピン証券取引所の推移(年末・年間値)
(出所:フィリピン証券取引所資料より作成、株価収益率はPSE基準算出数値)
4月は、新型コロナウイルス感染急減やそれに伴う経済活発化期待で7,000ポイント台で推移する場面もあった。しかし、ウクライナ情勢悪化・長期化懸念、米国のインフレ高進や金融引き締め加速化懸念、中国景気悪化懸念などを背景に、上値も重い展開が続いた。そして、月末にかけては、主要国市場の急反落やフィリピンが想定より早い時期に利上げ開始という観測の広がりにより急落、特に、最終日の4月29日に2.6%の下落したことで、月間ベースで大幅続落となった。4月の終値ベースでのPSEi最高値は4日の7,163.21ポイントであった。最安値は29日の6,713.25ポイントで、2021年8月24日の6,678.82ペソ以来、約8カ月ぶりの安値に落ち込んだ。
これらの結果、PSEiは年初4カ月で5.49%の低下となった。4カ月間の大分類セクター別の指数の動きは、鉱業・石油株(+20.03%)、金融株(+0.10%)が上昇した一方、工業株(-11.75%)、持株会社株(-6.84%)、サービス業株(-5.85%)、不動産株(-5.08%)は下落した。原油価格上昇の影響を大きく受ける工業株が下げ相場を主導したほか、サービス業株が前年の大幅上昇の反動、不動産株は金利敏感セクターの代表として売られている。
4カ月間の1日当たり平均売買額は前年同期比24%減の74億ペソ。外国人投資家は約104億ペソの売り越しであったが、前年同期の約616億ペソからは売り越し額が83%減少した。外国人の売買額シェアは40%で、前年同期の27%から大幅拡大した。4月末のPSE時価総額は17兆1,052億ペソで、前年同期末比では11.2%増加したが、2021年末からは5.4%減少した。
PSE指数(PSEi)の推移(年末値/月末価)
時期 | 年末・月末値 | 上昇率 |
2012年 | 5,812.73ポイント | 32.95% |
2013年 | 5,889.83ポイント | 1.33% |
2014年 | 7,230.57ポイント | 22.76% |
2015年 | 6,952.08ポイント | -3.85% |
2016年 | 6,840.64ポイント | -1.60% |
2017年 | 8,558.42ポイント | 25.11% |
2018年 | 7,466.02ポイント | -12.76% |
2019年 | 7,815.26ポイント | 4.68% |
2020年 | 7,139.71ポイント | -8.64% |
2021年 | 7,122.63ポイント | -0.24% |
2022年 1月末 | 7,361.65ポイント | 3.36% |
2月末 | 7,311.01ポイント | -0.69% |
3月末 | 7,203.47ポイント | -1.47% |
4月末 | 6,731.25ポイント | -6.56% |
4カ月間 | - | -5.49% |
フィリピン証券取引所のセクター別株価指数上昇率
項目 | 19年 | 20年 | 21年 | 22年4カ月間 | 22年4月末指数 |
フィリピン証券取引所指数 | 4.68% | -8.64% | -0.24% | -5.49% | 6,731.25 |
全株指数 | 2.92% | -8.11% | -10.64% | -5.58% | 3,605.14 |
金融株指数 | 4.71% | -22.32% | 10.95% | 0.10% | 1,607.85 |
工業株指数 | -12.02% | -2.51% | 10.76% | -11.75% | 9,181.43 |
持株会社株指数 | 3.41% | -3.13% | -7.44% | -6.84% | 6,341.57 |
不動産株指数 | 14.51% | -11.80% | -12.14% | -5.08% | 3,056.13 |
サービス業株指数 | 6.13% | -1.11% | 31.19% | -5.25% | 1,882.12 |
鉱業・石油株指数 | -1.32% | 17.75% | 0.77% | 20.03% | 11,524.76 |
フィリピン証券取引所の推移(年末・年間値)
項目 | 18年 | 19年 | 20年 | 21年 | 22年4月末 |
フィリピン証券取引所指数 | 7,466.02 | 7,815.26 | 7,139.71 | 7,122.63 | 6,731.25 |
年・月末時価総額(億ペソ) | 161,467 | 167,053 | 158,889 | 180,811 | 171,052 |
国内企業時価総額(億ペソ) | 135,437 | 139,468 | 130,994 | 145,637 | 138,314 |
外国企業時価総額(億ペソ) | 26,030 | 27,585 | 27,895 | 35,174 | 32,739 |
1日平均売買額(億ペソ) | 71 | 73 | 73 | 90 | 74 |
外国人の売買額シェア | 51% | 55% | 45% | 36% | 40% |
外国人買越額(億ペソ) | -609 | -145 | -1,287 | -23 | -104 |
PER(株価収益率) | 17.89倍 | 16.52倍 | 24.88倍 | 22.84倍 | 21.12倍 |