東急建設と飛島建設、マニラ地下鉄建設を受注

SM系メガワイドと連合、オルティガス2駅とトンネル工事

2022/05/03

 フィリピン初の地下鉄プロジェクトである日本支援の「マニラ首都圏地下鉄事業(マニラ地下鉄)フェーズ1」建設が始動しつつある。

 フィリピン運輸省(DOTr)鉄道セクターは、4月22日、マニラ地下鉄フェーズ1建設パッケージ104に関して、東急建設、飛島建設、メガワイドコンストラクション(メガワイド、証券コード:MWIDE)の3社連合に、落札通知を送付した。

 パッケージ104は、オルティガスノース駅とオルティガスサウス駅の2駅舎建設、両駅舎を結ぶシールドトンネル工事で構成される。落札額は約132億6,130万ペソと約112億2,750万円である。なお、メガワイドは、フィリピンの有力財閥SMグループ傘下の大手建設企業である。

 マニラ地下鉄フェーズ1は、深刻な交通渋滞の緩和を目的に計画されたもので、首都圏北部バレンスエラとアキノ国際空港が位置する南部ウエスタンビクータンを結ぶ32.4キロメートルの地下鉄区間に、17駅舎と1車両基地を整備するというものである。JICAが、マニラ地下鉄事業フェーズ1第1期を対象として1,045億3,000万円、第2期を対象として2,533億700万円を限度とする円借款貸付契約を締結済みである。

 既に、清水建設、フジタ、竹中シビルエンジニアリング、ユーチェンコ財閥傘下のフィリピン有力建設企業であるEEI(証券コード:EEI)で構成される4社連合が、3駅舎(タンダンソラ駅、キリノハイウェイ駅、ノースアベニュー駅)と1車両基地、それらを結ぶ3区間のシールドトンネル工事を計1,040億円で受注している。

 2020年12月には、住友商事及び総合車両製作所(J-TREC)がマニラ地下鉄向け車両240両を575億円で受注。更に、2022年2月には、三菱商事がマニラ地下鉄向け鉄道システム一式(軌道、信号・通信設備、受配電設備、電車線、自動改札機、ホームドア等)の設計・製造・据付けを1,400億円で受注している。