比ヤクルトの販売、第1四半期1日358万本で海外4位

年間過去最高記録(21年の354万本)を上回るペース

2022/05/17

  ヤクルト本社の決算資料などによると、2022年第1四半期(1月~3月)のフィリピンヤクルトの一日当り販売数量(速報値)は前年同期比(以下同様)は1.7%減の357万5千本だった。2022年第1四半期の販売数量は小幅減少となったが、比較対象の2021年第1四半期が18%増と非常に高い伸びで世界主要市場で最高の伸び率であったことの反動でもあり、依然高水準の販売が継続しているといえよう。実際、2021年年間の1日当たり販売数量353万9千本を上回っている。
 
 海外市場ではインドネシアの712万6千本、中国の531万2,000本、メキシコの369万本に次ぐ世界第4位であった。ちなみに、海外合計では1.2%増の2,982万7,000本、そのうち、アジア・オセアニア合計は0.2%増の2,332万本、フィリピンのシェアは12.0%で、前年同期の15.6%からは低下した。

 フィリピンでは、ヤクルト本社が40%出資するフィリピン ヤクルト(持分法適用会社)が、1978年10月から営業を行っており来年45周年を迎える。現在は、ヤクルトとヤクルトライトを製造販売している。2020年末の従業員数は1,376人、ヤクルトレディは3,786人、取引店は11万0,187店、工場(1日当たり生産能力470万本)はラグナ州カランバ市に立地している。日本と同基準の厳しい品質管理の下に製造された「ヤクルト」を1本約20円という低価格で販売している。
。「ヤクルト」は、医薬品を購入する余力のない低所得層にとって安価な栄養食品であり、庶民の強い味方として知名度も高い。健康飲料として支持を得ている「ヤクルト」の人気が更に高まっいるといえよう。
 
 フィリピンでの1日平均販売数量は、2011年から2019年まで9年連続で販売本数が増加、そのうち2014年から2018年までは5年連続の二桁増加という成長を見せた。2007年に1日当たり販売本数は100万3千本と百万本の大台突破、2015年に同213万9千本で二百万本突破、2018年は三百万本台突破と順調に拡大してきている。2020年は世界的な新型コロナパンデミックで10年連続の増加はならなかったが、小幅減少にとどまり、2021年は過去最高記録大幅更新に至った。


ヤクルト海外乳製品売上数量(1日当たり本数、単位:千本/日、%)
国名 連結
区分
2022年1月~3月(速報値)
売上数量 前年同期比伸び率
フィリピン 持分法 3,575 -1.7
台湾 持分法 543 7.2
香港 連結 279 -27.0
タイ 持分法 2,221 3.6
韓国 持分法 2,318 -8.5
シンガポール 連結 249 1.1
インドネシア 連結 7,126 7.6
オーストラリア 連結 319 15.0
マレーシア 連結 343 3.7
ベトナム 連結 807 28.1
インド 連結 210 -0.8
中東 連結 18 -11.9
ミャンマー 連結 0 -
中国 連結 5,312 -7.1
アジア・オセアニア計
(連 結 合 計)
23,320 0.2
14,663 1.5
ブラジル 連結 1,465 -4.5
メキシコ 連結 3,690 8.5
米国 連結 618 18.8
米州計 5,773 5.8
ヨーロッパ計 734 -0.1
合        計
(連 結 合 計)
29,827 1.2
21,171 2.6
(出所:ヤクルト本社の連結決算発表補足資料より)

フィリピンヤクルトの1日当たり販売数量推移(単位:千本、%)
11年 12年 13年 14年 15年 16年 17年 18年 19年 20年 21年
数量 1,295 1,502 1,594 1,877 2,139 2,449 2,762 3,088 3,196 3,030 3,539
伸び率 6.2 15.9 6.2 17.7 14.0 14.5 12.8 11.8 3.5 -5.3 16.8
(出所:ヤクルト本社決算発表補足資料などから作成)