銀行の第1四半期決算、BDO収益・資産ともに断トツ
総資産3.7兆ペソ、収入506億ペソ、純利益117億ペソ
2022/05/23
フィリピン証券取引所(PSE)上場の民間銀行の2022年第1四半期の(1月~3月)事業報告書発表が出揃った。主要8行の動向は下表のとおり(個別の詳細は別掲)であるが、新型コロナ対策としての外出・移動規制の段階的な緩和、それに伴う経済再開進展を背景に総じて回復傾向となっている。
前年同期は非金利収入の増加や貸倒引当の大幅減少が収益を下支えしたが、当四半期は8行とも主力の純金利収入が増加した。純金利収入の増加率が大きかったのは、リサール商業銀行(RCBC、証券コード:RCB)の24.5%増、チャイナバンク(証券コード:CHIB)の15.3%増、バンク・オブ・ザ・フィリピン・アイランズ(証券コード:BPI)の12.7%増など。純金利収入の額では、BDOユニバンク(BDO)の339億ペソが断トツ、メトロポリタンバンク&トラスト(メトロバンク、証券コード:MBT)193億ペソ、BPIの190億ペソと続く。営業純収入でもBDOが506億ペソで断トツであった。
帰属純利益額では、BDOが117億ペソで断トツ、メトロバンクとBPIが約80億ペソで続く。増益率はセキュリティバンクの65.7%、BPIの59.6%などが目立つ。ユニオンバンク オブ ザ フィリピン(ユニオンバンク、証券コード:UBP)が唯一の減益となったが、前年同期に高水準の一時的売買益が計上されていたことによるもので、一時的損益を除いた実質ベースでは21%増益決算とのことである。年率換算の株主資本利益率(ROE)首位はチャイナバンクの16%であった。
資産規模では、BDOが総資産(3兆6,705億ペソ)、純資産(4,294億ペソ)、受け入れ預金残高(2兆8,178億ペソ)、融資残高(2兆4,279億ペソ)いずれもトップとなっている。総資産2位はメトロバンクの2兆6,438億ペソ、3位はBPIの2兆3,782億ペソとなっている。総資産で3兆ペソを突破しているのはBDOのみである。
バーゼル3基準の対リスク資産自己資本比率(CAR)では、セキュリティバンク(証券コード:SECB)が18.55%で首位、メトロバンクが18.45%、BPIが17.14%と続く。不良債権(NPL)比率では、メトロバンクが2.16%と最も良好、BPIも2.38%、チャイナバンクも2.40%と低水準。一方、フィリピン ナショナル バンク(PNB)が最も高くなっている。PNBのNPL比率はグロスベースで10.9%、ネットベースでも5.3%と記載されている。
民間上位銀行の2022年3月末の資産等の状況(単位:億ペソ、自己資本比率は対リスク資産{CAR})
(出所:各銀行の事業報告書などより)
民間上位銀行の2022年第1四半期の収益動向(単位:億ペソ、純利益は帰属ベース)
(出所:各銀行の事業報告書などより)
前年同期は非金利収入の増加や貸倒引当の大幅減少が収益を下支えしたが、当四半期は8行とも主力の純金利収入が増加した。純金利収入の増加率が大きかったのは、リサール商業銀行(RCBC、証券コード:RCB)の24.5%増、チャイナバンク(証券コード:CHIB)の15.3%増、バンク・オブ・ザ・フィリピン・アイランズ(証券コード:BPI)の12.7%増など。純金利収入の額では、BDOユニバンク(BDO)の339億ペソが断トツ、メトロポリタンバンク&トラスト(メトロバンク、証券コード:MBT)193億ペソ、BPIの190億ペソと続く。営業純収入でもBDOが506億ペソで断トツであった。
帰属純利益額では、BDOが117億ペソで断トツ、メトロバンクとBPIが約80億ペソで続く。増益率はセキュリティバンクの65.7%、BPIの59.6%などが目立つ。ユニオンバンク オブ ザ フィリピン(ユニオンバンク、証券コード:UBP)が唯一の減益となったが、前年同期に高水準の一時的売買益が計上されていたことによるもので、一時的損益を除いた実質ベースでは21%増益決算とのことである。年率換算の株主資本利益率(ROE)首位はチャイナバンクの16%であった。
資産規模では、BDOが総資産(3兆6,705億ペソ)、純資産(4,294億ペソ)、受け入れ預金残高(2兆8,178億ペソ)、融資残高(2兆4,279億ペソ)いずれもトップとなっている。総資産2位はメトロバンクの2兆6,438億ペソ、3位はBPIの2兆3,782億ペソとなっている。総資産で3兆ペソを突破しているのはBDOのみである。
バーゼル3基準の対リスク資産自己資本比率(CAR)では、セキュリティバンク(証券コード:SECB)が18.55%で首位、メトロバンクが18.45%、BPIが17.14%と続く。不良債権(NPL)比率では、メトロバンクが2.16%と最も良好、BPIも2.38%、チャイナバンクも2.40%と低水準。一方、フィリピン ナショナル バンク(PNB)が最も高くなっている。PNBのNPL比率はグロスベースで10.9%、ネットベースでも5.3%と記載されている。
民間上位銀行の2022年3月末の資産等の状況(単位:億ペソ、自己資本比率は対リスク資産{CAR})
行名 | 総資産 | 純資産 | 自己資本比率 | 預金残高 | 融資残高 | 不良債権比率 |
BDOユニバンク | 36,705 | 4,294 | 14.64% | 28,178 | 24,279 | 3.10% |
メトロバンク | 26,438 | 3,132 | 18.45% | 20,421 | 12,184 | 2.16% |
BPI | 23,782 | 3,021 | 17.14% | 18,911 | 14,621 | 2.38% |
PNB | 11,366 | 1,619 | 14.70% | 8,698 | 5,615 | 10.90% |
チャイナバンク | 11,267 | 1,254 | 16.28% | 8,793 | 6,157 | 2.40% |
RCBC | 9,617 | 1,089 | 14.80% | 6,753 | 5,383 | 3.20% |
ユニオンバンク | 8,444 | 1,054 | 16.90% | 5,772 | 3,518 | N.A. |
セキュリティバンク | 7,071 | 1,225 | 18.55% | 5,304 | 4,646 | 3.65% |
民間上位銀行の2022年第1四半期の収益動向(単位:億ペソ、純利益は帰属ベース)
銀行名 | 純収入 | 伸び率 | 純金利収入 | 伸び率 | 純利益 | 伸び率 | 純金利率 | ROE |
BDOユニバンク | 505.9 | 6.8% | 339.1 | 5.9% | 117.4 | 13.0% | 4.03% | 11.09% |
メトロバンク | 276.2 | 2.4% | 193.0 | 1.4% | 79.9 | 2.6% | 3.32% | 10.27% |
BPI | 253.6 | 4.3% | 189.9 | 12.7% | 79.8 | 59.6% | 3.42% | 11.02% |
PNB | 103.0 | -7.1% | 85.2 | 3.5% | 28.0 | 58.5% | 3.40% | 7.10% |
チャイナバンク | 124.7 | -2.1% | 107.6 | 15.3% | 48.9 | 36.8% | 4.35% | 16.02% |
RCBC | 99.0 | 19.1% | 80.5 | 24.5% | 21.4 | 24.5% | 4.10% | 8.00% |
ユニオンバンク | 102.3 | -28.4 | 80.7 | 11.8% | 26.1 | -45.4% | 4.60% | 9.50% |
セキュリティバンク | 92.8 | 5.6 | 69.8 | 4.8% | 27.2 | 65.7% | 4.19% | 8.81% |