日本郵船、サンミゲルの河川浄化事業を強力支援

5年間で150万ドル、6日には日本からの重機を引き渡し

2022/06/09

 日本郵船は、フィリピンの大手複合企業サンミゲル(証券コード:SMC)が取り組んでいる『河川回復プロジェクト』で河川の浄化作業に使用される重機2台を寄贈、6月6日に引き渡し式典が開催された。

 式典にはサンミゲルのラモン・アン社長、越川和彦駐フィリピン日本国大使、フィリピン環境天然資源省のヨナス・レオネス次官、日本郵船の長澤仁志代表取締役社長らが出席した。世界的に見ても汚染が激しいフィリピンの中でも首都マニラを通るパシッグ川とタラハン川では、沈殿した泥や廃棄物で川底が上がって洪水の原因にもなっている。このため、これらの河川の回復が環境問題の改善と海洋マイクロプラスチックの減少につながると考えられている。

 サンミゲルは現在、洪水の被害を軽減し廃棄物の海洋への流出を防ぐためパシッグ川及びタラハン川の浚渫、回復を進めている。日本郵船は、昨年11月にこのプロジェクトに賛同し、5年間で150万ドルの寄贈を決定した。この寄付金で購入し寄贈された重機は、これらの河川の浄化作業に使用される。また、重機は、日本からフィリピンまでを日本郵船の運航船で輸送、フィリピン国内は日本郵船グループの郵船ロジスティクスが管理するトラクタで運ぶことで、全体を通して日本郵船グループで一貫して輸送した。

 式典にてラモン・アン社長は「台風や大雨によりマニラ首都圏の都市が深刻状況の中、河川回復プロジェクトに後援を得て心より感謝する。サンミゲルと日本郵船は水資源の保護活動をはじめとするサステイナブルな取り組みを行ってきた。本件は、両者が互いに同じ方向性を持っている事を再確認するものとなった。今後、フィリピン国内の企業が協力し合い、積極的な取り組みを行うことによって、次世代の恩恵に繋がる事を願っている」と感謝の言葉を述べた。