政府の成長率予想、22年6.5~7.5%へ再下方修正
インフレ率4.5~5.5%、原油価格90~110ドルと想定
2022/07/10
開発予算調整委員会(DBCC)は、7月8日、最近の内外の動向に合わせて、2022年~2025年の政府の中期マクロ経済に関する前提や財政計画、成長目標の見直しを行った。この調整は2023年度国家歳出計画(NEP)の準備に沿ったものである。なお、DBCCは政府の経済関係部署の横断機関であり、マクロ経済目標決定などの役割を担っている。
今回のDBCC会議において、ロシアとウクライナ間の紛争、中国の景気減速、米国の金融引き締め加速化など外部リスクの高まりを踏まえて、2022年のGDP実質成長率予想(目標)が、これまでの7.0%~8.0%から6.5%~7.5%に再下方修正された。2023年から2025年に関しては、これまでの予想6.0%~7.0%が6.5%~8.0%へと上方修正された。そして、新たに2026年~2028年が6.5%~8.0%と設定された。
ペソ対米ドルレートに関しては、2022年が1米ドル=51ペソ~53ペソ、2023年から2028年まで同51ペソ~55ペソと想定されている。
中期財政計画に関しては、経済活動が中期的に回復を続ける一方、新型コロナウイルス対策支出はピークアウトすると予想されるため、歳入の伸び率が歳出の伸び率を大幅に上回ると想定されている。この結果、財政赤字対GDP比率は、新型コロナ対策費調達等で高水準であった2021年実績8.6%に対し、2022年7.6%、2023年6.1%、2024年5.1%と改善傾向を辿り、2028年には3.0%にまで低下すると想定されている。なお、インフラ支出対GDP比率は2018年まで5.0%~6.0継続と想定されている。
フィリピンのGDP実質成長率の推移と予想(2018年基準、単位:%)
(出所:フィリピン統計庁資料より作成、予想は2022年7月8日のDBCC設定目標)
DBCC会合で承認された最新のマクロ経済前提
(出所:NEDA資料より作成)
今回のDBCC会議において、ロシアとウクライナ間の紛争、中国の景気減速、米国の金融引き締め加速化など外部リスクの高まりを踏まえて、2022年のGDP実質成長率予想(目標)が、これまでの7.0%~8.0%から6.5%~7.5%に再下方修正された。2023年から2025年に関しては、これまでの予想6.0%~7.0%が6.5%~8.0%へと上方修正された。そして、新たに2026年~2028年が6.5%~8.0%と設定された。
ペソ対米ドルレートに関しては、2022年が1米ドル=51ペソ~53ペソ、2023年から2028年まで同51ペソ~55ペソと想定されている。
中期財政計画に関しては、経済活動が中期的に回復を続ける一方、新型コロナウイルス対策支出はピークアウトすると予想されるため、歳入の伸び率が歳出の伸び率を大幅に上回ると想定されている。この結果、財政赤字対GDP比率は、新型コロナ対策費調達等で高水準であった2021年実績8.6%に対し、2022年7.6%、2023年6.1%、2024年5.1%と改善傾向を辿り、2028年には3.0%にまで低下すると想定されている。なお、インフラ支出対GDP比率は2018年まで5.0%~6.0継続と想定されている。
フィリピンのGDP実質成長率の推移と予想(2018年基準、単位:%)
年 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22予 | 23-25予 | 26-28予 |
伸び率 | 6.3 | 6.3 | 7.1 | 6.9 | 6.3 | 6.1 | -9.5 | 5.7 | 6.5-7.5 | 6.5-8.0 | 6.5-8.0 |
DBCC会合で承認された最新のマクロ経済前提
マクロ経済指標 | 2022年 | 2023年 | 2024年~28年 | |
インフレ率(%) | 4.5-5.5 | 2.5-4.5 | 2.0-4.0 | |
ドバイ原油価格(米ドル/1バレル) | 90-110 | 80-100 | 70-90 | |
外国為替レート(ペソ/米ドル) | 51-53 | 51-55 | 51-55 | |
物品輸出増加率(BPM6基準) | 7.0% | 6.0% | 6.0% | |
物品輸入増加率(BPM6基準) | 18.0% | 6.0% | 8.0% |