メトロバンク設立60周年、2022年最優秀銀行に

ユーロマネー誌が選出、昨年もアジアマネー誌が選出

2022/07/20

 当地第2位(総資産ベース)の商業銀行であるメトロポリタンバンク&トラスト(メトロバンク、本店マニラ首都圏マカティ市、証券コード:MBT)が設立60周年を迎えた。

 フィリピン証券取引所(PSE)のデータによると、メトロバンクの設立は1962年4月6日、PSE上場日は1981年2月26日である。メトロバンクは記念すべき60周年に、国際的な金融専門誌であるユーロマネー誌による「2022年ユーロマネー・エクセレンスアワード」において、2022年フィリピン最優秀銀行に選出された。

 ユーロマネー誌は、メトロバンクが新型コロナウイルス禍のなかで、安定性・安全性を重視しながら、慎重な事業スタンスのみにとどまることなく、デジタル化推進などによる多くの新しいサービスを開始、顧客の利便性向上や経済回復に寄与してきたと評価した。

 ユーロマネー誌は、時価総額、総収入、税引き前利益、純利益、自己資本利益率(ROE)、総資産利益率(ROA)、純金利率、費用対収入比率、預金残高や融資残高のシェア、預貸率、不良債権(NPL)比率、NPL貸倒引当率、普通株式中核自己資本比率(Tier1)というキーマトリックス分析などにより選出する。下表のように、メトロバンクは時価総額や総収入など規模の面では、首位のBDOユニバンク(証券コード:BDO)に差をつけられているが、その他の指標ではひけをとっていない。

 メトロバンクの国内店舗数は950店超、海外拠点は30箇所超に達している。日本を始め、アメリカ、カナダ、英国、韓国、シンガポール、中国、香港、台湾の主要都市に支店・現地法人を展開している。設置ATM台数は2,300台超。本店には2002年よりジャパンデスクを設置済み。在日拠点は東京支店(設置:1996年3月、フィリピン銀行としての初の日本進出)、大阪出張所(設置:1998年12月)の2拠点となっている。

 なお、メトロバンクはアジア地域の銀行専門誌「The Asian Banker(アジアバンカー)」によって「2021年フィリピン最強銀行」に、金融専門誌「アジアマネー誌」によって「2021年フィリピン最優秀銀行」に選出されている。


 民間上位銀行の2022年3月末の資産等の状況(単位:億ペソ、自己資本比率は対リスク資産{CAR})
行名 総資産 純資産 自己資本比率 預金残高 融資残高 不良債権比率
BDOユニバンク 36,705 4,294 14.64% 28,178 24,279 3.10%
メトロバンク 26,438 3,132 18.45% 20,421 12,184 2.16%
BPI 23,782 3,021 17.14% 18,911 14,621 2.38%
PNB 11,366 1,619 14.70% 8,698 5,615 10.90%
チャイナバンク 11,267 1,254 16.28% 8,793 6,157 2.40%
RCBC 9,617 1,089 14.80% 6,753 5,383 3.20%
ユニオンバンク 8,444 1,054 16.90% 5,772 3,518 N.A.
セキュリティバンク 7,071 1,225 18.55% 5,304 4,646 3.65%
(出所:各銀行の事業報告書などより)

 民間上位銀行の2022年第1四半期の収益動向(単位:億ペソ、純利益は帰属ベース)

銀行名 純収入 伸び率 純金利収入 伸び率 純利益 伸び率 純金利率 ROE
BDOユニバンク 505.9 6.8% 339.1 5.9% 117.4 13.0% 4.03% 11.09%
メトロバンク 276.2 2.4% 193 1.4% 79.9 2.6% 3.32% 10.27%
BPI 253.6 4.3% 189.9 12.7% 79.8 59.6% 3.42% 11.02%
PNB 103 -7.1% 85.2 3.5% 28.0 58.5% 3.40% 7.10%
チャイナバンク 124.7 -2.1% 107.6 15.3% 48.9 36.8% 4.35% 16.02%
RCBC 99 19.1% 80.5 24.5% 21.4 24.5% 4.10% 8.00%
ユニオンバンク 102.3 -28.4% 80.7 11.8% 26.1 -45.4% 4.60% 9.50%
セキュリティバンク 92.8 5.6% 69.8 4.8% 27.2 65.7% 4.19% 8.81%
(出所:各銀行の事業報告書などより)