デンソーのSMART農業(植物工場)事業、BOIが承認

優先投資案件に、環境保全型水耕栽培で野菜を安定供給

2022/07/27

 フィリピン投資委員会(BOI)は、デンソー フィリピン(比デンソー)のバタンガス州におけるSMART農業プロジェクト(投資金額6,000万ペソ、ルッコラ、ハーブ、メロン、ケールなど高付加価値作物の新方式生産)を、2022年戦略的投資優先計画(SIPP)の「農業、漁業、林業」部門のもとで承認した。

 比デンソーによるこのSMART農業プロジェクトは、水耕栽培技術、IoT(モノのインターネットワーク化)技術、環境制御型ハウス(温室)技術、自動車分野で培った自動化など幅広い工業化技術を活用、センサーによる栄養分の投与と監視などによる環境制御で季節や天候に左右されない効率的で安定した野菜の周年栽培(植物工場)や供給、このプロジェクトを実施する地域の野菜の自給率の低さ(22%)解消への貢献を目指す。
 
 また、水耕栽培は、パーライト、砂利、ミネラルウール、膨張粘土、またはココナッツ殻などの不活性媒体を介してミネラル養液を使用して栽培する土壌を必要としない農業システムである。このプロセスにより、水はシステムに残り、再利用され、その結果、水消費節減、二酸化炭素排出量削減など環境保全に寄与するものである。

 比農業省(DA)も「比デンソーのプロジェクトは、DAによって推進されている食料安全保障プログラムと合致している。果物や野菜の十分な供給を確保し、グリーン農業を支援するという点で都市部の食糧安全保障の達成に貢献する。農業を改善することによってフィリピン農民の生計を向上させようというDAのビジョン達成支援につながる」とコメントしている。