三菱商事、ASEAN中堅企業向け投資ファンド2号組成完了

173億円の『AIGFⅡLP』、既に比のミートワールドなどに投資

2022/08/26

     三菱商事は、8月25日、「100%連結子会社で、シンガポールを拠点にASEAN域内で投資ファンドを運営するAIGF Advisors Pte. Ltd(AIGF)は、同社の2号ファンドとなる『AIGFⅡLP』を組成し、国内外の投資家各社から173億円の投資資金を預かり、募集を完了した」と発表した。

 AIGFは、ASEAN域内の中堅企業に資金を投資し、経営支援を行うことで、投資先の成長を加速させ、産業競争力を強化することを目指して2014年に創立された。同年から運用を開始しているAIGF1号ファンドでは、マレーシア国内で高質スーパーマーケットチェーンを運営しているJaya Grocer社、タイでケンタッキー・フライド・チキン店舗の運営を行っているRDCL社、フィリピンでシェアオフィス運営事業を行うKMC社への投資を実行済みであり、Jaya Grocer社については、十分な企業成長を実現した上で完全売却を果たす等、着実に運用実績を積み上げてきた。

 後継ファンドとなる『AIGFⅡLP』では1号ファンドの運用を通じて得た知見を基に既に投資を開始しており、シンガポールで半導体等精密貨物の輸送に特化した特殊物流事業を行うBHS Kinetic社、フィリピンにて豚肉・牛肉・魚介類等の卸・小売事業を展開するMeatworld International社等、投資領域・分野を限定せず幅広いセグメントに投資をしている。

 投資対象となるASEAN地域は、安定的な経済成長・人口増加が見込まれ、日本と比較して間接金融が未発達・限定的である事から、事業の成長を支える資金提供者としてPEファンドの存在感が高まっている。

 三菱商事は、三菱商事グループの総合力を差別化要因とした企業投資事業を国内外で展開しており、AIGFをASEAN域内の企業投資事業におけるプラットフォームと位置付けている。高い成長性を有する域内各国において、引き続き地場優良企業の成長を促進する投資資金の提供、及び三菱商事が有する広範なネットワークや産業知見の活用を通じて、地域産業・企業の育成及び産業競争力強化に貢献して行く方針である。