2022年の社債上場額、過去最高の4千億ペソ超へ

既に3,711億ペソ(21銘柄)、前年を74%上回る

2022/08/29

   ゴコンウェイ財閥の大手不動産企業であるロビンソンズランド(証券コード:RLC)は、8月26日、社債発行で150億ペソを調達した。この社債は、同日にフィリピン ディーリング&エクスチェンジ(PDEx)運営の債券取引所(電子取引)に上場された(詳細別掲)。
 
 これにより、2022年年初から8月26日までの約8カ月間に新規上場された社債は21銘柄でその総額は3,711億2,000万ペソに達した。低調であった2021年の年間新規上場額2,134億5,000万ペソを既に74%上回っている。そして、2022年年間では、過去最高であった2020年の3,878億3,000万ペソを上回る4,000億ペソ以上となる可能性が高い。
 
 ちなみに、近年の社債類新規上場額は、2016年1,365億ペソ、2017年2,074億ペソ、2018年2,564億ペソ、2019年3,756億ペソ、2020年3,878億3,000万ペソと急ピッチで増加してきた。2021年は市場環境が不透明になってきたこと、高水準であった2019年と2020年の反動という要素もあって2,134億5,000万ペソへと減少した。しかし、2022年は約8カ月間で3,711億2,000万ペソと急回復している。7月には950億ペソの社債が新規上場され、月間記録を更新した。

 なお、フィリピンでは、株式や株式に絡んだ派生商品(ワラントなど)の上場、売買はフィリピン証券取引所(PSE)が管轄している。一方、債券やその他の固定利付き金融商品の上場、売買に関しては、PDSグループのPDEx債券取引所が担当している。

 現在のPDSの株主構成は、フィリピン銀行協会(BAP)21.01%、PSE 20.99%、シンガポール証券取引所(SGX)20%、タタ コンサルタンシーサービス(TCS)アジア8%、ウィスラー テクノロジーサービス8%、サンミゲル4%、フィリピン アメリカンライフ&ジェネラルインシュアランス(フィーラムライフ)4%などである。