アボイティス、セブ空港運営事業を250億ペソで取得へ

GMRメガワイド セブエアポート社を2段階方式で買収

2022/09/04

  アボイティス財閥の旗艦企業アボイティス エクイティ ベンチャー(証券コード:AEV)が、傘下のインフラ企業であるアボイティスインフラ キャピタル(AIC)を通じて、マクタン セブ国際空港(MCIA)の運営権等を2段階方式で取得する。

 AICは、9月2日、SM財閥の建設企業メガワイド(証券コード:MWIDE)とインド系GMRエアポーツ インターナショナル.B.V(GAIBV)との合弁企業GMRメガワイド セブエアポート社(GMCAC)社の株式約33.333%を94億7,360万ペソで取得することで合意した。GMCACは、2014年、MCIAの開発・運営・維持事業を獲得しそれらの事業を開始、現在に至っている。この株式売買が完了すると、GMCAC出資比率はAIC、メガワイド、GAIBA各々約33.333%となる。

 AICは上記のGMCACへの約33.333%出資に加え、メガワイドとGAIBVから、GMCAC株式約66.666%への転換権が付された転換証券を155億2,640万ペソで取得することでも合意した。この転換証券は、2024年10月30日に満期を迎え、GMCAC株式約66.666%へ転換され、AICがGMCACを買収することになる。買収総額は最初の出資額も含め250億ペソとなる。すなわち、AICがMCIAの運営・維持権を250億ペソで取得することになる。

 なおフィリピン政府は、2013年、当時老朽化が目立っていたMCIAに関して、官民連携(PPP)プロジェクトとして、MCIAの新旅客ターミナル建設などによる旅客処理能力増強、近代化を計画、2013年11月にMCIA新旅客ターミナル等の建設・運営・維持(25年間)の入札手続きを開始、この入札における落札企業であるGMCACと2014年4月に正式契約したという経緯がある。ちなみにGMCACは、144億ペソのプレミアム(建設コスト等を全て負担するうえに144億ペソを政府に支払う)という好条件を提示、落札した。