7月の失業率5.2%(前月6.0%)、約3年ぶりの低水準
7月としては過去最低、不完全就業率は13.8%に上昇
2022/09/09
フィリピン統計庁(PSA)は、9月8日、2022年7月の労働力調査(LFS)速報を発表した。それによると、2022年7月の15歳以上の失業率は5.2%で前月から0.8%ポイント、前年同月からは2.0%ポイント改善した。
そして、新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミック発生直前の2019年10月の4.5%(当時は毎月発表ではなく、1月、4月、7月、10月という年4回発表)以来、約3年ぶりの低水準となった。また、7月としては、現行のLFS基準採用の2005年以降の最低となった。経済再開本格化や対面授業再開などが寄与した。
フィリピンの労働力調査結果の比較
(出所:PSA資料より作成、2021年のみ確定値、2022年は速報値)
2022年7月の15歳以上の人口7,664万人のうち、労働力人口は前年同月比(以下同様)11.3%増の推定4,999万人で、労働参加率は65.2%となり、前年同月から5.8%ポイント上昇した。
就業者数は13.7%増の推定4,739万人、就業率(雇用率)は94.8%と前年同月を2.0%ポイント上回った。規制緩和が寄与した。就業者を業種別に分類すると、農業部門が23.5%(前年同月22.0%)、鉱工業部門が17.7%(同19.9%)、サービス部門が58.8%(同58.1%)であった。
就業形態は、賃金労働者が全体の62.1%を占め、その48.6%が民間企業労働者、9.0%が政府系企業社員・公務員だった。自営・事業主は全体の30.0%、無給家内労働者は7.9%。また、週平均労働時間は40.5時間で、前年同月の41.7時間を約1.2時間下回った。フルタイム就業者(週40時間以上勤務)は就業者全体の65.0%(前年同月68.6%)。
不完全就業者(就業者であっても十分な労働時間に満たず追加の仕事を求めているパートタイム労働者)数は25.4%減の推定654万人で、不完全就業率は13.8%(前年同月21.0%)。不完全就労者全体の63.5%が労働時間週40時間以下だった。
失業者数は19.4%減の推定260万人。年齢層でみると、15歳-24歳が全体の34.2%、25歳-34歳が36.0%と合計で全体の70.2%を占めた。学歴別では、中学校進学・卒業者の割合は33.6%(卒業者は23.8%)、大学進学・卒業者では42.0%(卒業者は30.5%)だった。性別では、男性57.6%、女性42.4%と男性が上回っている。
2022年7月の失業率を州別でみると、一番高かった州は、首都圏の6.9%、次いでカラバルソンの6.3%。一方、一番低かった州は、カガヤンバレーの2.8%、次いでダバオの2.9%となっている。
2021/2022年7月の地域別就業率・失業率の比較(単位:%)
(出所:PSA資料より作成、2022年は速報値、CAR:コルディリェラ行政地域)
そして、新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミック発生直前の2019年10月の4.5%(当時は毎月発表ではなく、1月、4月、7月、10月という年4回発表)以来、約3年ぶりの低水準となった。また、7月としては、現行のLFS基準採用の2005年以降の最低となった。経済再開本格化や対面授業再開などが寄与した。
フィリピンの労働力調査結果の比較
年 | 2021 | 2022 | |||||||
月 | 7月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | |
労働参加率(%) | 59.4 | 60.5 | 63.8 | 65.4 | 63.4 | 64.0 | 64.8 | 65.2 | |
就業率(%) | 92.8 | 93.6 | 93.6 | 94.2 | 94.3 | 94.0 | 94.0 | 94.8 | |
不完全就業率(%) | 21.0 | 14.9 | 14.0 | 15.8 | 14.0 | 14.5 | 12.6 | 13.8 | |
失業率(%) | 7.2 | 6.4 | 6.4 | 5.8 | 5.7 | 6.0 | 6.0 | 5.2 | |
平均週労働時間 | 41.7 | 41.8 | 40.8 | 40.6 | 40.1 | 39.8 | 40.3 | 40.5 |
2022年7月の15歳以上の人口7,664万人のうち、労働力人口は前年同月比(以下同様)11.3%増の推定4,999万人で、労働参加率は65.2%となり、前年同月から5.8%ポイント上昇した。
就業者数は13.7%増の推定4,739万人、就業率(雇用率)は94.8%と前年同月を2.0%ポイント上回った。規制緩和が寄与した。就業者を業種別に分類すると、農業部門が23.5%(前年同月22.0%)、鉱工業部門が17.7%(同19.9%)、サービス部門が58.8%(同58.1%)であった。
就業形態は、賃金労働者が全体の62.1%を占め、その48.6%が民間企業労働者、9.0%が政府系企業社員・公務員だった。自営・事業主は全体の30.0%、無給家内労働者は7.9%。また、週平均労働時間は40.5時間で、前年同月の41.7時間を約1.2時間下回った。フルタイム就業者(週40時間以上勤務)は就業者全体の65.0%(前年同月68.6%)。
不完全就業者(就業者であっても十分な労働時間に満たず追加の仕事を求めているパートタイム労働者)数は25.4%減の推定654万人で、不完全就業率は13.8%(前年同月21.0%)。不完全就労者全体の63.5%が労働時間週40時間以下だった。
失業者数は19.4%減の推定260万人。年齢層でみると、15歳-24歳が全体の34.2%、25歳-34歳が36.0%と合計で全体の70.2%を占めた。学歴別では、中学校進学・卒業者の割合は33.6%(卒業者は23.8%)、大学進学・卒業者では42.0%(卒業者は30.5%)だった。性別では、男性57.6%、女性42.4%と男性が上回っている。
2022年7月の失業率を州別でみると、一番高かった州は、首都圏の6.9%、次いでカラバルソンの6.3%。一方、一番低かった州は、カガヤンバレーの2.8%、次いでダバオの2.9%となっている。
2021/2022年7月の地域別就業率・失業率の比較(単位:%)
地域 | 労働参加率 | 就業率 | 失業率 | 不完全就業率 | ||||
2021年 | 2022年 | 2021年 | 2022年 | 2021年 | 2022年 | 2021年 | 2022年 | |
フィリピン全体 | 59.4 | 65.2 | 92.8 | 94.8 | 7.2 | 5.2 | 21.0 | 13.8 |
首都圏 | 57.8 | 62.4 | 90.9 | 93.1 | 9.1 | 6.9 | 14.2 | 7.7 |
CAR | 64.6 | 68.8 | 95.1 | 95.8 | 4.9 | 4.2 | 21.5 | 16.9 |
1-イロコス | 59.9 | 67.4 | 93.7 | 94.9 | 6.3 | 5.1 | 21.2 | 17.4 |
2-カガヤンバレー | 64.2 | 66.6 | 95.8 | 97.2 | 4.2 | 2.8 | 25.0 | 15.1 |
3-中央ルソン | 56.8 | 64.3 | 92.7 | 95.0 | 7.3 | 5.0 | 14.4 | 7.0 |
4A-カラバルソン | 60.7 | 65.0 | 91.9 | 93.7 | 8.1 | 6.3 | 19.0 | 13.9 |
4B-ミマロパ | 62.8 | 66.3 | 92.9 | 94.8 | 7.1 | 5.2 | 31.2 | 22.0 |
5-ビコール | 59.4 | 60.8 | 91.6 | 94.8 | 8.4 | 5.2 | 30.3 | 19.4 |
6-西ビサヤ | 59.7 | 65.0 | 92.6 | 94.0 | 7.4 | 6.0 | 25.3 | 16.6 |
7-中央ビサヤ | 60.3 | 67.0 | 91.0 | 95.4 | 9.0 | 4.6 | 24.0 | 14.6 |
8-東ビサヤ | 60.5 | 65.0 | 93.4 | 95.5 | 6.6 | 4.5 | 27.3 | 16.0 |
9-サンボアンガ半島 | 58.7 | 65.8 | 94.4 | 95.9 | 5.6 | 4.1 | 25.1 | 12.9 |
10-北ミンダナオ | 60.9 | 70.2 | 95.1 | 94.7 | 4.9 | 5.3 | 20.5 | 13.3 |
11-ダバオ地域 | 57.6 | 62.7 | 95.1 | 97.1 | 4.9 | 2.9 | 17.2 | 7.7 |
12-ソックサルジェン | 63.5 | 73.4 | 94.6 | 96.0 | 5.4 | 4.0 | 23.8 | 23.1 |
カラガ | 61.7 | 69.4 | 94.9 | 96.9 | 5.1 | 3.1 | 27.9 | 25.5 |
BARMM | 49.2 | 60.3 | 92.7 | 94.4 | 7.3 | 5.6 | 19.6 | 13.4 |