ペソ建て債券残高、6月末14%増の10兆7千億ペソに

国債18%増の9兆3千億ペソ、社債7%減の1兆4千億ペソ

2022/09/15

 アジア開発銀行(ADB)が、9月14日、東アジア債券市場の動向に関する報告書「アジア債券モニター」(ABM)最新版の2022年9月号(2022年第2四半期実績などを記載)を発表した。
 
 「アジア債券モニター」(ABM)は、ASEAN6カ国(フィリピン、インドネシア、マレーシア、シンガポール、タイ、ベトナム)、中国、韓国、香港という合計9カ国・地域(9市場)の東アジア新興国(EEA)現地通貨建て(LCY)債券市場の変化を定期的に調査・分析しているものである。

 このABM最新版によると、2022年第2四半期末(6月末)の東アジア新興国の現地通貨建て債券市場は、前年同期末比8.4%増の22兆9,140億米ドルに達した。前期末(2022年3月末)比では2.4%減少した。

 フィリピンのLCY(ペソ建て)債券発行残高は前年同期末比14.2%増の10兆6,800億ペソであった(前期末比2.4%増)。そのうち、政府債(国債等)が同18.4%増の9兆2,730億ペソ(前期末比4.1%増)、社債が同7.2%減の1兆4,080億ペソ(前期末比7.1%減少)であった。構成比は政府債が86.8%、社債が13.2%であった。
 
 フィリピンの米ドルベースでのLCY債券発行残高は前年同期末比1.4%増の1,943億米ドル、政府債(国債)が同5.1%増の1,690億米ドル、社債が同17.6%減の260億米ドルであった。1,943億米ドルという発行残高規模は、9市場のなかで、ベトナムの990億米ドルに次ぐ低水準であり、9市場全体の22兆9,140億米ドルの0.85%を占めるに過ぎない。中国本土の発行残高は前年同期末比11.3%増の18兆3,680億米ドルで、9市場の80.16%を占めている。ちなみに、日本の発行残高は同16.2%減の9兆6,590億米ドルで、中国本土との差が拡大した。