中央銀行、22日に0.50%の追加利上げを決定

翌日物借入金利4.25%に、19年9月以来3年ぶり高水準

2022/09/22

  フィリピン中央銀行は(BSP)は、現在、年8回の金融委員会(MB)政策定例会合を開催している。9月22日、2022年6回目のMB政策定例会合が開催された。

 今年6回目のMB政策定例会合では、政策金利体系の0.50%追加引き上げが決定された。すなわち、主要政策金利である翌日物借入金利(RRP)4.25%を中心とする3.75%~4.75%という金利コリドーに移行されることになった。この追加利上げは、9月23日から実施される。そして、RRPは2019年9月26日までの4.25%以来、約3年ぶりの高水準となる。

 2020年12月17日から今年5月18日までは、2016年に中央銀行が金利コリドー制を導入して以降の最低水準であるRRP2.00%を中心とする1.50%~2.50%という金利コリドーが継続されてきたが、インフレ高進対応策として今年5月19日と6月23日のMB政策定例会合で0.25%ずつの利上げ、7月14日の臨時会合での0.75%の大幅緊急利上げ、8月19日と9月22日の0.50%ずつの利上げが決定されており、累計で2.25%の利上げが決定された。

 9月6日に発表された2022年8月の消費者物価指数(CPI、2018年=100)が6.3%で3カ月連続の6%突破、8カ月間平均は4.9%となり、2022年のインフレ目標(消費者物価上昇率2~4%)達成が一段と困難になりつつある。BSPは9月22日に、2022年の年間インフレ率予想をこれまでの5.4%から5.6%へと更に上方修正した。2023年予想についてはこれまでの4.0%から4.1%へと上方修正した。一方、ペソ対ドルレートは過去最安値更新が続いている。

  MBは今回の政策金利の追加引き上げを決定するにあたり、2022年のインフレ率予想が8月19日時点から一段と高まり、インフレ圧力の上昇が続く可能性があることを重視した。したがって、インフレ圧力やインフレ期待を緩和するための追加利上げを決定した。

 次回のMB政策定例会合は11月17日に開催予定である。BSPは、現在、年8回の金融委員会(MB)政策定例会合を開催している。2022年のMB定期政策会合は、2月17日、3月24日、5月19日、6月23日、8月18日、9月22日、11月17日、12月15日に開催、もしくは開催予定されている。1月、4月、7月、10月は開催されないが、7月は上記のように臨時会合で0.75%の緊急利上げが実施された。