6月の卸売物価上昇率9%、現行基準で最大

約11年ぶりの高い伸び、上半期平均で7.2%

2022/09/26

  フィリピン統計庁(PSA)によると、2022年6月の全国総合卸売物価指数(GWPI、2012年=100)は前年同月比(以下、同様)9.0%上昇で、基準年が1998年から2012年に変更された2019年7月以降で最大の上昇率となった。基準年は異なるが、2011年9月の9.1%以来、約10年9カ月ぶりの高い伸び率でもある。2022年上半期の平均上昇率は7.2%に達した。

 主要8品目中、食品(+11.4%)、飲料・タバコ(+7.4%)、鉱物燃料・潤滑油類(+59.9%)、原料別製品(+8.8%)の4品目が前月から上昇が加速し、燃料を除く非食用原料(+8.4%)、動植物油脂を含む化学品(+5.9%)の2品目は減速した。また雑工業製品(-0.6%)はマイナス転落、機械・輸送機器・設備(+1.4%)は横ばいだった。

 地域別上昇率については、ルソンが+9.4%で前月同月から7.3%ポイント、ビサヤ地方は+5.2%で前月同月から4.8%ポイント上昇した。一方、ミンダナオ地方は+4.6%で前年同月から0.2%ポイント低下したが、前月からは1.0%上昇した。
 
 6月の全国GWPI上昇率9.0%は、CPI(消費者物価指数)上昇率6.1%(2018年=100)を大幅に上回ったが、基準年が異なることに留意する必要がある。なお、GWPI発表は、CPI発表(翌月の5日前後)に比べて遅い。

 フィリピンGWPI前年同月比上昇率の推移(2012年基準、単位%)

時期 全国 ルソン ビサヤ ミンダナオ
2019年平均 1.6 1.6 2.2 1.9
2020年平均 2.5 2.5 0.9 1.6
2021年平均 3.1 3.2 0.4 4.6
2021年 6月 2.2 2.1 0.4 4.8
7月 2.9 3.0 0.6 4.4
8月 3.2 3.2 1.1 5.2
9月 3.3 3.4 0.4 4.9
10月 3.9 4.1 0.8 4.8
11月 4.2 4.3 1.4 5.0
12月 4.1 4.1 2.2 5.0
2022年 1月 4.6 4.7 3.2 4.2
2月 5.6 5.9 3.5 3.2
3月 7.6 8.2 4.1 3.0
4月 8.3 8.8 4.3 3.3
5月 7.9 8.4 4.4 3.6
6月 9.0 9.4 5.2 4.6
6カ月間 7.2 7.6 4.1 3.7
(出所:PSA資料より作成)