金融市場が大混乱、株価は約2年ぶりの安値に急落

ペソは一時初の59ペソ台に、国債入札相次いで不成立

2022/09/29

 世界的なインフレ高進、その対策としての金融引き締め、引き締めに伴う景気悪化懸念などを背景に、フィリピン金融・証券市場が混乱している。

 ペソ対ドルレートは過去最安値更新が続き、9月28日には、一時初の59ペソ台へ下落(詳細は別掲)した。終値は辛うじて58ペソ台に戻したが、ほぼ過去最安値圏での推移となっている。9月28日の終値58.980ペソは2022年年初から13.5%下落、9月月初からは4.8%の下落となっている、

 一方、フィリピンの代表的株価指数であるPSE株価指数(PSEi)の9月28日の終値は5日連続で下落(詳細は別掲)、前日比140.39ポイントの5,879.68ポイントで引けた。6,000台の大台のみならず、5,900台をも割り込み、2020年10月7日の5,867.88ポイント以来、約2年ぶりの安値に落ち込んだ。すなわち、新型コロナウイルスパンデミックによる大混乱期と同水準まで下落した。

 一方、国債定期入札において、応札利回りが急騰、調達サイドの財務局が応札全てを拒否、入札不成立というケースが相次いでいる。9月27日の91日物国債入札と364日物国債入札、9月28日の20年物国債入札が不成立となった。